「第7話では、紬と交際していたものの、想と再会したことで身を引いた元カレ・湊斗(鈴鹿央士)が、紬の弟や友人らと一緒に飲むシーンがあり、3人のLINEグループ名が『紬を幸せにし隊』になっていることを湊斗がツッコむシーンがありましたが、これには視聴者の間でも賛否分かれました。というのも、“主成分・優しさ”と劇中で形容されるほど穏やかで優しい湊斗に対してあまりに残酷では……というわけです。

 しかも、主人公の紬は他のキャラクターと違って、健康で、家族仲も良好で、過去も現在も公私ともに順調に見える。今のところ湊斗との別れぐらいしか大きな波がなく、それもすでに想とイイ感じになっているので、むしろ十分すぎるほど幸せといえるでしょう。そのため、紬と想のために身を引いた湊斗、想にフラれるとわかっていても想いを伝えずにいられなかった奈々に報われてほしいと応援する声がどうしても多く、紬に対しては『どうせ想とくっつくんでしょ』と冷めた見方になってしまいがちなんです。さらに第7話では紬に手話を教える講師・春尾(風間俊介)と奈々の悲しい過去も明らかになり、ますます奈々が切ないと感情移入する人が多数。『とりあえず私は「奈々を幸せにし隊」に入りたい』『紬を幸せにし隊より、春尾と奈々を幸せにし隊』という声まで出ており、さながら奈々がヒロインと化しつつあります」(同)

 主人公よりも、その周りの人物のほうが俳優としては“オイシイ”役どころだったのかもしれない。だが、川口のヒロイン力が真に試されるのは終盤になるようだ。

「脇役の抱えている過去や背景も丁寧に描く“みんな主人公”的な作品なだけに、どうしてもうまくいっている主役が割を食うような見え方になっていますが、物語のメインとなるのはやはり紬と想のカップルなので、ここからが見せ場。第8話は想の過去と家族の関係にフォーカスされ、ようやく想と紬はふたたび恋仲に戻るのか?という話が主題になると見られます。全11話の予定なので、12月22日放送が最終回。クリスマスに向けてラブストーリーが大きく盛り上がるでしょう」(同)

 オリコンによる「ドラマ満足度ランキング」では6週連続で首位、さらに3週連続で100Pt満点を叩き出すという圧倒的な支持を得ている『silent』。この勢いは最後まで続くだろうか。