東京都品川区に本社を置き、「酒蔵を世界一働きたい場所に」をビジョンとして全国の酒蔵をコーディネートしている「蔵楽(クラク)」は、新潟県新潟市にある笹祝酒造の体験型観光施設「麹の教室」をプロデュースした。「麹の教室」は、日本酒を次世代に繋げていくことを目的とした、麹(こうじ)に触れることが出来る体験型観光施設だ。
ユネスコ無形文化遺産登録に見込まれている「麹造り」
麹造りは、「一麹、二酛、三造り(いちこうじ、にもと、さんつくり)」と言われるほど日本酒造りにおいて最も重要な工程。2024年には、「伝統的酒造り(=日本の伝統的な麹菌を使った酒造り技術)」のユネスコ無形文化遺産への登録が見込まれている。
一方で、肝心の「麹」自体は日本国内においてなかなか理解が進んでおらず、酒造にとっては重要な工程ゆえに開放していない酒蔵がほとんどだという。
そこで蔵楽は、笹祝酒造とともに、子供から大人まで誰もが気軽に麹に触れられる体験施設をつくるに至った。
2社の想いが共鳴、週末に家族で遊べる酒蔵へ
2022年2月、蔵楽は笹祝酒造より蔵の改修をしたいという相談を受けた。笹祝酒造6代目・笹口亮介社長は「日本酒づくりを身近に感じてもらえるよう、子供から大人まで誰もが気軽に麹に触れてもらえる場所を作りたい」と語った。蔵楽もかねてより「麹の理解を広めたい。家族で気軽に来て楽しめる酒蔵になれば」と考えており、その想いが一致した。
コンセプトを洗練させ綿密に計画を練り、2022年9月には遊休スペースとなっていた会議室の大幅な修繕を実施。多くの紆余曲折を経て誰でも気軽に麹について学べる「麹の教室」が誕生した。
笹祝酒造は、これまで飲み手向けの酒蔵見学に限られていた酒蔵から、週末に家族で遊べる酒蔵としてコンセプトを変更。酒蔵を体験型施設として新たなキャッシュポイントとするビジネスモデルへ転換を図るに至った。
「麹の教室」お披露目の蔵開き「蔵 be lucky!」
3月19日(日)、「麹の教室」は笹祝酒造が開催した蔵開き、その名も「蔵 be lucky!(=蔵開き)」にてお披露目された。蔵人が参加者の目の前で麹づくりを行う「ライブ種ふり」という貴重な演出に、参加者は目を輝かせながら見入り、カメラで撮影するなど、大盛り上がりだったという。蔵人への質問も飛び交い、会場が一体となって「麹」に向き合う素晴らしいひと時となったようだ。