◆アカウントを削除した“正直者の気持ち”
「この放送の後に、ツイッターアカウントを終了して、退会しようと思います。(中略)僕の仕事って、自分のことを自分で宣伝して、反応をチェックするんじゃなくて、自分自身に向き合って、出た表現で、みなさんにお届けすることだと思うんですよ」
これが、Twitterのアカウントを削除した理由だ。この杉野遥亮らしさ、嫌いじゃない。SNSがコミュニケーションの中心にすらなっている今の時代、「怖いって思った」杉野は、そこから「その人っていう人を制限しているような気がして、そこから抜け出たいなと思った」とも言及。そこには文明批評的な鋭さがあるし、何より正直な人だなと思った。筆者も同意する。
でも正直者が得をする時代ではない。大抵の人は、SNSをツールとしてうまく活用しようとする。ましてや芸能人だ。でも杉野君にはそれができない。中途半端が嫌いなんだろう。彼が感じる「怖い」は、ひとりの俳優が人間として感じた実感に基づく。嘘偽りのない、“正直者の気持ち”が何とも清々しい。