スフィンクスはエジプトの遺跡や神話で知られる「スフィンクス」と同じ名をもち、猫種名はそのスフィンクスに由来しています。エジプト周辺に起源があるのかと思いきや、実はカナダのオンタリオ州出身です。体にほとんど被毛がないことと、大きな耳が特徴であり、フレンドリーで人と一緒にいるのが大好き。そんなスフィンクスをご紹介します。

1.スフィンクスの歴史

原産国:カナダ

スフィンクスの歴史は新しく、1966年から始まります。カナダのオンタリオ州で飼われていた猫(黒白の有毛猫)が、一匹の無毛の子猫を産んだことが始まりでした。

この突然変異によって誕生した無毛猫は、ブリーダーの心をくすぐったのでしょう。「プルーン/Prune(刈り取る、切り取るなどの意)」と名付けられ、成長した後は無毛猫を種として固定するため繁殖に用いられました。

ある程度の固定ができるまでには15年ほどかかったようですが、それ以降も有毛猫と無毛猫との交配が続けられ(無毛は劣勢遺伝であるのに加え、健全な猫をつくるには遺伝子プールを広げる必要があったため)、今日見るスフィンクスの姿となりました。

2.スフィンクスの特徴

「歴史」の項でも述べたように、スフィンクスは突然変異を基に人為的に作出された猫種であるというのは一つの特徴です。
そして、エキゾチックなビジュアルは一度目にしたら忘れることはできません。

スフィンクスの容姿

スフィンクスは成猫時の体重がオス猫で3.6kg~6.3kg、メス猫では3kg~4.5kg程度の中型の猫で、体形的にはセミフォーリンタイプに属します。
なにより最大の特徴は、ほとんど毛がないことでしょう。

しかし、実際には完全なる無毛なわけではなく、見た目にはよくわからないほどの細かい毛に覆われていることがあり、マズルや耳、足、尻尾などに柔らかい毛が生えていることもあります。

無毛と言っても皮膚の色素が関係するため“毛色”や“毛色パターン”もしっかり存在し、あらゆるパターンと毛色が認められています。併せて、額や体には皺があり、洋ナシ型と言われるぽっこりとしたお腹も特徴的です。また、顔に対して大きい耳と眼も際立っており、猫の中でも異色な雰囲気を醸し出しています。

スフィンクスの性格・気質

スフィンクスは孤高なビジュアルとは裏腹に、フレンドリーで人間のそばにいることを好みます。「ラップ・キャット」とも言われますが、人の膝の上に座れば、居心地良さそうに丸くなることでしょう。

おおむね他のペットや子どもともうまくつきあうことができ、ファミリー向きの猫と言えます。一方で警戒心もあり、猫らしいところもしっかりと持ち合わせています。
また、活動的で遊び好き、そして高い運動能力を有することから、十分な運動ができるよう配慮も必要です。

3.スフィンクスを迎える方法

【専門家監修】スフィンクスの性格や飼い方のコツ、寿命、なりやすい病気まで全部紹介!
(画像=『犬・猫のポータルサイトPEPPY(ペピイ)』より引用)

スフィンクスを迎えるには、主にペットショップ、ブリーダー、動物保護団体・動物愛護センターなどのルートがありますが、その前に知っておきたいこともあります。
それを理解した上で、入手先を決めましょう。

  1. 「動物の愛護及び管理に関する法律」により、販売者は対象となる動物を直接見せ、飼育方法などについて購入者と対面した上で文書を用いて説明しなければなりません。これを怠る販売者はNGと言わざるを得ません。

  2. 2022年6月1日より、販売される犬猫にはマイクロチップ装着が義務化されました。猫を購入後(マイクロチップ装着済の猫を譲り受けた場合も同様)は、飼い主さん自身の情報へと変更登録する必要があります。

詳しくはこちら⇒環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室「犬と猫のマイクロチップ情報登録について」

スフィンクスの入手先

入手先1 ペットショップで探す

ペットショップで販売される猫は、契約ブリーダー、自社(自家)繁殖の他、多くが生体市場経由で仕入れられた子猫です。現在、動愛法の改正により、生後56日(8週齢)に満たない子犬子猫は販売できなくなっているので(特例として天然記念物指定を受けている日本犬の場合は生後49日)、子猫の生年月日は確認するようにしましょう。

子猫を選ぶ際には、できれば親猫を見ることができると理想的ですが、ペットショップでは稀です。

入手先2 ブリーダーから購入する

真摯なブリーダーは特定の猫種にこだわりをもって繁殖しており、その猫種についての知識も豊富です。
子猫の価格については、ブリーダー登録サイトは別として、ブリーダーのホームページ上では公開していないことが多いので、直接問い合わせる必要があります。

予約をすれば見学も可。親猫や、子猫が育った環境を見られる点はプラスポイントです。

入手先3 里親になる

行き場のない猫はまだまだ多くおり、そうした猫を迎えるのも一つの選択肢です。この場合、子猫とは限らず、成猫や老猫も多くいます。

入手先としては動物保護団体や各自治体の動物愛護センターなどがありますが、里親になるには一人暮らしや65歳以上の人は不可、その自治体在住者のみなどそれぞれ条件が設けられていることがあるのでよく確認してください。

スフィンクスを迎えるときの費用相場は?

現在、子犬子猫の価格は以前に比べて大幅に高騰しています。したがって、決して安い買い物ではなく、ましてや一つの命を預かるわけですから、熟考の後、猫をお迎えください。

その結果、スフィンクスを迎えると決めた場合、おおむね以下の初期費用がかかります(商品に関しては一般的なものから少々リッチなものまで含みます)。

スフィンクスを迎える場合の費用の目安

項目 費用の目安
スフィンクスの子猫の価格 20万円~
混合ワクチン(Felv含む) 3,000円~1万円程度
猫用ベッド 1,000円~5,000円程度
サークル・ケージ 5,000円~1万5,000円程度
食器・水飲み・フード(ドライフード1袋)類 3,000円~8,000円程度
トイレ・トイレシート類 3,000円~7,000円程度
ブラシ・コーム・爪切り類 3,000円~6,000円程度
おもちゃ類 1,000円~2,000円程度
キャットタワー 5,000円~2万円程度
合計 約2万5,000円~7万円程度+子猫の価格

※価格はあくまでも目安であり、販売者や子猫の状況、動物病院、商品などの条件によって変動します。