対する埼玉WKは、前節も強かった。3月4日、ホームにクボタスピアーズ船橋・東京ベイを迎え撃った第10節は、無敗の首位決戦にふさわしい攻防となった。

3-3で迎えた25分、敵陣10mラインでボールを受けたSO山沢拓也はパスダミーから鋭いステップで3人を抜き去りインゴールまで走り抜けた。Gも決めて10-3とするも、その後S東京ベイが反撃を開始。デカくて強いFWがプレッシャーを掛け、スピード豊かなBK陣の幅を使ったアタックで仕留めにかかるが、埼玉WKの強固な守備網は破れず。それでもペナルティを誘い、29・33・39分とSOバーナード・フォーリーがPGを通して9-12で前半を折り返した。

大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!
(画像=山沢拓也(埼玉ワイルドナイツ)(C)JRLO、『ぴあエンタメ情報』より引用)

50分S東京ベイのアタックが続く中、22mライン付近のラックからFLベン・ガンターがボールを確保、No8ジャック・コーネルセン、WTBマリカ・コロインベテ、山沢とボールをつなぎ、キックパス。転がったボールをコロインベテが抑えて再び山沢に預けると、10番がインゴール正面に回り込んでトライ。17-10と逆転すると、10分後に山沢がPGを通した。

63分には埼玉WKが驚異的な粘りを披露。フォーリーのゲインからNo8ファウルア・マキシ、WTB木田晴斗とインゴールに迫るもことごとく止め、最後FLトゥパ フィナウにインゴールに侵入されるもFL福井翔太がグラウンディングを許さず、FLラクラン・ボーシェーも加勢し、すんでのところでトライを阻止した。

それならばとS東京ベイはショットを選択し、65分に20-15とスコアを縮めるも、3分後に22m手前でボールを受けた山沢はDG一閃。再び8点差とした。73分に途中出場のHO堀江翔太が同じく途中出場のCTBテアウパ シオネの猛タックルを食らい、ボールがこぼれると5分前にピッチに入ったばかりのCTBハラトア・ヴァイレアがキャッチ。自陣10mラインから独走トライかと思いきやCTBディラン・ライリーが追い付いて倒すと、その後のアタックも封じた。79分にはライリーのフラットなパスを受けたWTB長田智希が左サイドを切り裂いてトライ、最後タッチライン際の厳しいGを山沢が見事に成功し、30-15でノーサイド。

大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!
(画像=ディラン・ライリー(埼玉ワイルドナイツ)(c)JRLO、『ぴあエンタメ情報』より引用)

大一番で2トライ3ゴール2PG1DGのワンマンショーを繰り広げた山沢は「勝負できるかなというところでランはいつも狙っているが、それがうまくいっただけ。チームとして、きちんと個々の役割ができている結果」とさらり。松田力也が不在の中、FBではなく、SOとして結果を残した手応えを聞かれても、「本当に勝ててまずホッとした。10番で出ることについては、みなさんが思うほどそういう思いはない。10番で出たら10番の役割を果たしたいし、15番であれば15番の役割を果たしたいという気持ち。うちにはそれぞれのポジションでいい選手がいて、それぞれの良さがある。そういうのをわかった上で、選んでもらっているので、自分が出る時は自分ができることをチームのためにやりたい」とフォア・ザ・チームの心境を明かした。

指揮官は選手たちを称え、キャプテンは誇りについて口にした。
ロビー・ディーンズ監督「最高のラグビー日和。選手たちが期待に応えてくれた。非常にフィジカリティなゲームだったが、選手のディフェンスを誇りに感じているし、ここを乗り越えたことを誇りに思う。平野(翔平)には『おかえりなさい』と伝えたい。長田は初めてWTBで出場した試合でトライを決めてくれてとてもうれしい。山沢の活躍は言うまでもなく素晴らしかった。難しいゲームだったが、スピアーズをノートライに抑えたのがすごく良かった。トライを奪われていたら、より厳しいゲームになった」

HO坂手淳史主将「チームの価値はディフェンスに見えると思っている。ゲインを切られた時、トライに迫られたシーンがあったが、スクランブルディフェンスでプライドを見せることができた。ディフェンスに関して、誇りに思う。ディフェンスで大事にしていることは、早くセットをすること。誰が誰を見るのかを明確にして、ラインスピードを持って前へ出ることを意識している。ワイルドナイツには遂行できるメンバーがいて、システムがあると思う。今日の勝利はこれからの成長につながると思う。勝って、試合内容を反省できるのはポジティブ。この結果に満足することなく、成長し続けたい」

大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!
(画像=坂手淳史(埼玉ワイルドナイツ)(c)JRLO、『ぴあエンタメ情報』より引用)

大一番を前に痛い星を落とした東京SGと不戦敗を除いて公式戦42試合無敗の埼玉WK。対照的な両軍の試合登録メンバーは以下の通り。

【東京SG】
1小林賢太、2中村駿太、3垣永真之介、4ツイ ヘンドリック、5ハリー・ホッキングス、6下川甲嗣、7山本凱、8テビタ・タタフ、9流大、10アーロン・クルーデン、11テビタ・リー、12中村亮土、13中野将伍、14尾崎晟也、15松島幸太朗、16堀越康介、17石原慎太郎、18中野幹、19トム・サベッジ、20飯野晃司、21齋藤直人、22田村煕、23尾崎泰雅

【埼玉WK】
1稲垣啓太、2坂手淳史、3平野翔平、4リアム・ミッチェル、5ルード・デヤハー、6ベン・ガンター、7ラクラン・ボーシェー、8ジャック・コーネルセン、9小山大輝、10松田力也、11野口竜司、12ダミアン・デアレンデ、13ディラン・ライリー、14長田智希、15山沢拓也、16堀江翔太、17クレイグ・ミラー、18藤井大喜、19エセイ・ハアンガナ、20福井翔大、21内田啓介、22ヴィンス・アソ、23山沢京平

王者に死角は見当たらないが、東京SGにも意地がある。果たして、ここで東京SGが埼玉WKを止めるのか、このまま埼玉WKが全勝で突っ走るのか。『NTTリーグワン2022-23』第11節・東京SG×埼玉WKは3月11日(土)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。試合の模様はBS日テレにて生中継。チケット発売中。


提供元・ぴあエンタメ情報

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