『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』プレーオフトーナメント決勝の再戦だ。『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』プレーオフトーナメント決勝の顔合わせでもある。だが、東京サンゴリアス×埼玉ワイルドナイツは『NTTリーグワン2022-23』の首位攻防戦ではない。王者・埼玉WKは首位を快走するが、2年連続準優勝の東京SGはすでに2敗。3位に甘んじている。

前節は東京SGにとって、誤算だった。3月5日、秩父宮ラグビー場で下位に低迷するトヨタヴェルブリッツと対峙。立ち上がりから出足の鋭いトヨタVに対して、後手に回った。5分インターセプトしたWTBヴィリアメ・ツイドラキのビッグゲインはWTB尾崎晟也がなんとか食い止めたが、8分自陣深くでのスクラムから左へ展開、WTB高橋汰地のロングパスを受けたヴィリアメにインゴール左隅へダイブされた。24分には連続攻撃からSOアーロン・クルーデンがカットパス、トップスピードの尾崎が右サイドを疾走し同点。トライランキングトップを独走する15本目のトライをマークした。

31分残り5mでのトヨタVのラインアウトではモールを止めるも、HO彦坂圭克が持ち出して前進、アーリーエントリーのLOアイザイア・マプスアのピック&ゴーでトライを奪われた。その後、クルーデンのPGは失敗するが、相手には決められて5-15で前半を終えた。

45分敵陣ゴール手前からターンオーバーされて、WTB高橋からFBティアーン・ファルコンへつないだ独走トライはTMOの結果ノートライとなり、53分には連続攻撃からWTBテビタ・リーがトライ、右隅のタイトなGもクルーデンが成功させて12-15。これで東京SGペースになるかと思われたが、大事な次の点はトヨタVに入った。

56分ファルコンのグラバーキックをSH流大が何とか蹴り出すも、続くラインアウトモールをBK含めて13人で押して12-20。61分には逆に東京SGがラインアウトモールを繰り出すも進まず、ならばと左へ展開し、途中出場のSO田村煕、CTB中野将伍とふたりが反転しながらボールをつなぐとFB松島幸太朗がフィニッシュ。流のGは決まらずにスコアは17-20のまま。

大一番を前に痛い星を落とした東京SG、43戦負けなしの王者・埼玉WKに挑む!
(画像=松島幸太朗(東京サンゴリアス)(c)JRLO、『ぴあエンタメ情報』より引用)

勝負どころの残り20分となるも、東京SGのギアは上がらなかった。74分トヨタVは9フェーズでFL姫野和樹がピック&ゴールでねじ込んで勝負あり。最後までアタックを仕掛けた東京SGだが、82分PGで勝点1を得ることを選択。

20-27とクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの開幕戦以来の黒星を喫した東京SG。田中澄憲監督が「トヨタのハードワークとハングリー精神に尽きる。今日はそういうゲームになってしまった。しっかりと自分たちのテンポで戦おうとしたが、タッチキックすべきところで蹴れないなど遂行力で逆にトヨタに勢いを与えるようなプレーをしてしまった」と敗因を挙げれば、SH齋藤直人共同主将は「大きいFWパックをいかにして下げるか。いかにサンゴリアスのテンポで試合をするかというところフォーカスした。ただ最後まで自分たちのペースにできなかったことが敗因のひとつ。この負けから学ぶこと、その上でしっかり切り替えて、次のパナソニック戦に向けてチーム全員で戦っていきたい」と唇を噛んだ。

次節・埼玉WK戦への修正点を問われた監督はこのように答えた。
「次はショートウィークでパナソニックにチャレンジしないといけない。まずは対策を考え、ポジティブにチャレンジすることを考えて、しっかりとトレーニングしていきたい。僕らはアタッキングチームで、ブレイクダウンの数が多くなるチーム。今日はそのブレイクダウンのところでターンオーバーされたので、この部分をしっかりやりたい。また、今日もスペース自体は見えていたので、そこにボールを運ぶ遂行力を上げていく。いくつか要因があると思うので、コミュニケーションやスキルのところを微調整していきたい」