ロックバンドの楽しさを見せつけたTHE KEBABS
この日のトリを飾ったのは、2018年に活動をスタートしたTHE KEBABS。佐々木亮介(Vo/G/a flood of circle)、新井弘毅(Gt/ex.serial TV drama)、田淵智也(Ba/UNISON SQUARE GARDEN)、鈴木浩之(Ds/ex.ART-SCHOOL)というスーパープレイヤーがそろい踏みのバンドに“期待のニューアーティスト”というのは憚れるが、しかしそれぞれのバックボーンも活かしながらも、ここでしか鳴らせないアンサンブル、ハジけたユーモア、大人の戯れを存分に感じさせるその音楽は、新鮮であり、常に何が起こるのかわからないワクワクにも満ちている。期待、しかないバンドである。
盛大な手拍子に迎えられた4人は登場から元気で、「やさしくなりたい」「THE KEBABSのテーマ」、そして「すごいやばい」と、ボリュームを上げて突き進んでいく。佐々木は時にアルコールを嗜みながら、しゃがれ声を響かせ、その両サイドでは歪んだ低音で会場を足元から揺らすようなベースと、華やかな色味をほとばしらせるようなギターがせめぎあっている。
「オーロラソース」では、快活なドラムビートとロックンロールなギターリフでドライブし、またスピードをあげた「枕を変えたら眠れない」では田淵と新井が向き合って、互いにテクニカルな音で押し合いへし合いする。シアトリカルだが、音を重ね合わせる醍醐味を味わい、圧倒させる。ドラマーの目の前で繰り広げられるその光景に思わず笑みが漏れたのだろう、鈴木はエネルギッシュにビートを刻みながらも満面の笑みである。普段のスタジオでもこんな感じなんじゃなかろうかという、4人の空気感が伝わってくるシーンでもある。ロックバンドって、最高だなというのをそのままこの場で見せてくれる、そんなステージだ。
佐々木は、「これでまだ19時でしょ? いかれてるよ」とステージと会場の盛り上がりに笑顔を見せ、「あと3時間くらいやってもいいんじゃない?」とフロアを沸かせる。そして「あとちょっと、ぶち上げて帰ります」と3月15日リリースのEP『幸せにしてくれいーぴー』から、「THE KEBABSを抱きしめて」を披露。すぐさま会場が一体となる、これまたキラーチューンだ。
ここからも怒涛で、「恐竜あらわる」「てんとう虫の夏」、そしてラストは大合唱必至のメロディアスな「うれしいきもち」へと、笑顔を加速させていく。バカバカしいくらいの爆音をかき鳴らし、ギターフレーズまで大合唱したくなるようなキャッチーさで、大団円を迎えた『CLAPPERBOARD -Enjoy the Weekend!- vol.11』。まさに最高の1日の締めくくりだ。
<公演情報>
『CLAPPERBOARD -Enjoy the Weekend!- vol.11』
3月5日(日) 東京・渋谷WWW
セットリスト
■SEVENTEEN AGAiN
- 東京2021
- 世界は君たちを変えることは出来ない
- DANCING IN THR TRASH
- 絶対君じゃ嫌なんだ
- STAY GOLD
- ダイヴ
- 戦争はおわりにしよう
- ピリオド
- リプレイスメンツ
- シュプレヒコール
- Don’t Break My Heart
■Apes
- Neighbor
- Hesitate
- ハイライト
- Sing for you
- Goodbye sea
- やさしくなれない
- Boying
■THE KEBABS
- やさしくなりたい
- THE KEBABSのテーマ
- すごいやばい
- オーロラソース
- おねがいヘルプミー
- 枕を変えたら眠れない
- ラビュラ
- THE KEBABSを抱きしめて
- 恐竜あらわる
- てんとう虫の夏
- うれしいきもち
提供元・ぴあエンタメ情報
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