両局が横断コラボを行うのは、テレビ放送開始の60周年、65周年に続く3回目となる。今回は、これまでのコラボでは考えられない大規模プロジェクトとなった。その裏には、両局のトップが変わったことが大きく関係しているという。

「NHKは今年1月25日に、日銀元理事の稲葉延雄氏が新会長に就任した。日テレも、2022年6月29日付で石澤顕氏が新社長になっている。今回のコラボはそれぞれの局でトップが変わったばかりということもあり、かなり気合いが入ったものになりました。ただ、WBCの開催中ということで、あまり話題にならなかった(苦笑)。NHKも日テレも、WBCの放映権を持っていなかっただけに少しでも巻き返したいところでしたが、視聴率では大惨敗することになりました」(同上)

とはいえ、今回のコラボで両局はしっかりと”目的”を達成することができたという。

「NHKの狙いは、ずばり日テレが持っている若年層の視聴者です。日テレは、テレビ局の中で13~49歳を対象とするコア視聴率がもっとも高い。特に、今回のコラボに参加した『有吉の壁』はコア層に絶大な人気の番組。NHKは『有吉の壁』のためにわざわざ局内を貸してロケをOKしたほどです。日テレとしても、NHKとコラボすることでブランド強化ができた。また、逆にシニア層の視聴者も開拓することで、ライバルのテレ朝を引き離すことができます。特に今回、WBCの放映権もなかったフジテレビは、かなり危機感を覚えています」(民放関係者)