平凡な遊園地でのデートは彼女もノリノリで

それでも彼女はノリノリで、今は無きエキスポランドで子供のようにはしゃぎ合った。「やっぱり夜のエキスポランドも人が多いなぁ」と私が言うと「そりゃあ、デートスポットやもん」と彼女。そのセリフに正真正銘これはデートなんだと、改めてフツフツと喜びが湧き上がる。

ひとしきり遊び回った後は、やはり2人で観覧車に。頂上でキスをしたらこのデートは完成する。ゆっくりと上昇する観覧車の窓からは、見事な夜景。少し緊張しながら彼女の肩を優しく引き寄せ、ゆっくりと顔を近づけた時、「え!?何?!何すんの!?」とびっくり仰天し、身を翻して肩をすくめて固まる彼女。

あまり詳細に思い出したくはないのだが、観覧車の頂上で分かった事というのは、私だけが半年もの長い間、一人で救いようのない勘違いをしていたという事だ。後悔、申し訳無さ、恥ずかしさ…。降り半周のゴンドラの中がどんなにいたたまれない空気だったか、説明する術もない。

結局、その夜に成し遂げたのは、その後長らく語り継がれるフラれっぷりで、地元の友人たちに話のネタを提供したという事だ。

(40代・男性)
今回は、実際にあった「デート珍事件」についてまとめました。
デートでの空回りも悲しみも幸せも、話のネタに昇華したいものです。

文・fuelle編集部