「かしましめし」の原作は、「FEEL YOUNG」(祥伝社)で連載中のおかざき真里氏の同名コミック。美大を卒業後、同級生の自死をきっかけに再会したアラサーの男女3人が、それぞれの人生に悩みながらも、みんなで集まってはにぎやかな“おうちごはん”を囲み、やがて一緒に暮らしていくようになるグルメドラマだ。上司からのパワハラにより心が折れて退職し、気分転換としての“料理”に活路を見出したデザイナーの女性・小田千春役の前田敦子、同じ部署の婚約者から突然婚約破棄されてしまう中村聖子(ナカムラ)役の成海璃子、「ゲイを親にカミングアウトする時は、最後まで“楽しい人生”を演じ続ける覚悟がなきゃだめ」というゲイの先輩の信条を胸に生きる男性・雨海英治役の塩野瑛久が、その3人を演じる。

 渡部が扮(ふん)するのは、3人の美大予備校時代の講師で、千春が慕情にも似た感情を寄せる画家・蓮井亮史。渡部の俳優デビューは、オーディションで抜てきされ主演を務めた、1991年のテレビ東京の2夜連続ドラマ「青春の門」なのだが、同局の連ドラには今回が初出演となる。渡部は「自分自身では初めて経験するジャンルだと思っています。分からないことがたくさんあるので、プロデューサーや監督のアドバイスを頂き、努力してまいります」と謙虚な姿勢で役に臨む。

 ナカムラが婚約破棄後に出会う会社の同僚で、恋愛関係に発展する田口祐也役を務める倉悠貴は、「今回初めて、原作、脚本を読んだのですが、共感できる苦悩や葛藤、言葉がたくさんあり、あっという間に読み終えてしまいました。3人の干渉しすぎない絶妙な距離感がうらやましく、一緒にごはんを食べられるってすてきなことだなとあらためて思いました。僕が演じる田口という役は、存在しているだけで周りが笑顔になる太陽のような存在です。“たぐっちゃん”と愛されるような人物になればいいなと思います。温かいご飯や時間を共有できるような優しいドラマ、僕も楽しみです」と本作と役どころへの印象を語っている。