べっこうや明日葉など、人気の「ご当地グルメ」も豊富

広い伊豆大島ですが、ご当地グルメも種類豊富に揃っているので、訪問の際はぜひチェックしておきましょう。

まず、ご紹介するご当地グルメは「べっこう」です。

べっこうというのは、魚の切り身を唐辛子醤油につけたもののことを指しています。名前の由来は刺身がべっこう色になることから。いわゆる刺身のヅケに近い料理ですが、色合いが独特です。「べっこう丼」や「べっこう寿司」といったメニューで島のレストランで提供されています。

明日葉も伊豆諸島の名物食材です。生育環境として島の気候がちょうど合っているため、島中に生えています。

場合によっては道端で見かけることもあるほど。多少のほろ苦さと香りが特徴的で、天ぷらやおひたしで食べられています。

また、島の北部、伊豆大島の空港近くには牧場があり、大島牛乳が作られています。

ほとんど島内や他の島で消費されるため、あまり本土では見かけないかもしれませんが、濃厚な味でソフトクリームなどの加工品も作られています。牛乳や乳製品が好きな方はぜひチェックしてみてください。

「椿油」の名産地としても有名な伊豆大島

最後に紹介するのは、伊豆大島の名産品「椿油」。伊豆大島には約300万本の椿の木があるのです。

もともとは椿の特徴を活かし、防風林として島中で使われていた歴史がありますが、分厚い葉っぱは潮風にも火山灰にも耐性が高いとされており、現在では伊豆大島の花といえば椿と言われるほどになっています。

そんな椿の実を原料とした椿油を使った椿油関連商品も多数。大きなものからお試し用までさまざまあるので、お土産にピッタリです。よく知られている髪の毛のお手入れ以外にも、ハンドクリーム代わりに手や肌につけるという使用方法もあります。

また、美容用品としてだけではなく、食用としても使うことができる商品も。オリーブオイルのように植物性の油ということで、ヘルシー食材として注目され始めていて、例えば先ほど紹介した明日葉の天ぷらは、通常の油と椿油をミックスして使っているお店が多いと言います。それによって、後味スッキリの揚げ物ができるそうです。

東京都心から最も近い離島、伊豆大島。火山があることで生まれたさまざまな自然景観に加えて、島だからこその食文化や特産品など見どころに溢れています。

一度、実際に足を運んでその文化に触れてみてはいかがでしょうか。<text&photo:岡本大樹>