飛行機なら東京から約30分で到着。遠いようで意外と近い離島が【伊豆大島】です。伊豆諸島の中で最も大きく、活火山である「三原山」に関連する数々の見どころがあります。また、「べっこう」や「明日葉」などのご当地グルメ、さらには島の名産品である椿油など、今回はそんな伊豆大島の魅力をご紹介します。

島のシンボル的存在「三原山」

伊豆大島を代表する観光スポットのひとつが、島のほぼ中央に位置している「三原山」です。現在も活動を続けている活火山で、最近では1986年に大規模な噴火が起こっています。

山頂まで登ると、そんな活きた山の力をより身近に感じることができます。駐車場のすぐそばにある外輪山展望台から火口までは徒歩40〜50分ほど。険しい登山道ではなく、舗装された道を歩くことができるので、本格的な登山装備が必要なわけではありません。ただ、かなり稀ではあるものの、真冬で雪が積もっている時は滑りやすく歩きづらいので、足元に十分注意しましょう。

なお、三原山は富士山や阿蘇山などと同じく、真ん中が大きなカルデラとなっています。そのため、カルデラの周りを歩く「お鉢巡り」をすることが可能。一周の所要時間は約50分と展望台から山頂までよりも時間がかかる場合があります。体力と相談しながら、進むか途中まで行くかなどを考えましょう。

お鉢巡りでの最大の見どころはカルデラを深くまで覗き込むことができる「三原山中央火口」ですが、その他にも、南に続く利島や新島といった伊豆諸島を眺められるポイントなど、一周している間にさまざまな景色を楽しむことができます。

島に点在する火山関連スポットの数々

活火山は自然災害の危険性ももちろんありますが、同時に島にさまざまな恵みをもたらしてくれている存在でもあります。温泉はわかりやすい例ですが、島内の見応えある数々の自然景観も火山によって作られたものばかり。

例えば、「バウムクーヘン」と呼ばれるスポットもそのひとつ。

正式には「地層切断面」という名前ですが、島を一周するための道路を作る際に、まるでバウムクーヘンのような美しい地層が出現。そのまま観光スポットとして、多くの人が訪問する人気の場所となりました。

「トウシキ遊泳場」は黒い溶岩流が続く海岸線で、透明度の高い海とのコントラストが美しく、夏のシーズンには天然のプールとしても利用されます。

島の南東部の海に立つ「筆島」も見逃せません。形が筆の先のようであることからその名前が付けられた場所ですが、もともとはここに火山があったことの名残。

「筆島火山」と呼ばれるその火山の活動はなんと伊豆大島ができるよりも昔の240万年〜数十年前のこととされています。