作間龍斗「お互いを必要とし、状況が整うと、年の差は関係なくなる」
――グルメラブストーリーである本作は、料理シーン、そしてその料理を食べるシーンが大きな見どころですが、それぞれを演じる上で心がけたことはありますか。
門脇 ずっと料理を扱う作品をやってみたくて。そして実際にやってみて、料理の作品は工程がたくさんあって想像以上に時間がかかると分かりました。今作では大原千鶴先生が料理監修をしてくださっていますが、料理の手元はすべて私なので、美しく見えるように意識しました。使っていたのが四角いながたん(包丁)だったので、最初は扱いが難しくて。まな板とながたんをお借りして、ホテルの部屋でキュウリを切って練習していました。使い慣れてくると力を入れず包丁の重さで切ることができるので使い心地がいいんですよ。
作間 僕は基本的に食べるシーンが多いので、なるべくキレイに、時代背景的に違和感なく食べられるように、知識を絞りだして演じました。もちろん写り具合を松本壮史監督に見てもらって微調整したり、大原先生にも正しい食べ方を教えてもらったりしました。
――本作にはおいしそうな料理がたくさん出てきますが、実際に食べて特においしかった料理は?
門脇 結婚式のシーンの撮影は、お化粧の関係でお料理を食べられなくて。みんながおいしそうに食べていて、おいしいに決まっているのに、食べられない辛さ。生殺しでしたね(笑)。そして撮り終わって食べた時のハモのおいしさときたら(笑)。ずっと2人で食べてたよね。
作間 撮影中は、ハモに乗っていた梅だけちょろっと食べたんですけど、その梅すらおいしくて(笑)。でも役としては「ハモが食べられない」設定だったので、苦しかったですね。ほんとはめっちゃおいしいのに(笑)。
門脇 あとは1話に出てくる鯛の骨せんべいが乗っているお茶漬け。骨せんべいというものを初めて食べたので、骨せんべいばっかりバリバリ食べていました(笑)。
作間 明太子が入った出汁巻き卵も、本当においしくて全部食べました。
門脇 おいしかったよね。ポトフ風のうどんもおいしかった。
作間 ポトフ風のうどん! 初めて食べたんですけど、味がすごくしみてるんですよね。
門脇 大原先生の性格がにじみ出ているかのような優しいスープで、幸せな気持ちになる味でした。そんな心のこもった料理のシーンが入ることによって、2人の物語もさらに温かく優しく見えたりするんです。料理の画力ってすごいなと。湯気が出ている映像を見るだけで幸せになるじゃないですか。この作品を通して「お腹も胸もいっぱいになる」のが、本当においしいご飯なんだなと思いました。
作間 そうですね。人と集まってご飯を食べることが減っているこのご時世、「みんなで食べるとおいしくなる」って本当にその通りだなと思いました。そういう食べる環境、さらに作ってくれる人のバックストーリーも知ることによって、料理をより一層おいしく感じることができるんだなと思いました。
――いち日は京ことば、周は大阪ことばと標準語ですが、方言でのお芝居はいかがでしたか。
門脇 方言は本当に難しくて、先生のデモテープを聴いてひたすら練習しました。お芝居の相手の周が普段標準語なので、そこも混乱して難しかったですね。でも反面、私自身にははんなりする要素があまりないので、京ことばがはんなりさせてくれるというか、落ち着いた雰囲気の女性に見せてくれるという意味で、いち日を演じる上でとても助けられた部分もあります。
作間 周はいち日さんと話す時は標準語、幼なじみや兄弟と話す時は大阪ことばなんです。そんな中、スタッフさんは基本皆さん京ことばなので、混ざってしまっておかしくなりましたね。「よろしくお願いします」もちょっと変な感じになったりとか(笑)。
門脇 途中からなまってたもんね。
作間 なまってた(笑)。何弁でもない中間みたいな、気持ち悪いイントネーションになってました。
門脇 作間弁だね(笑)。
作間 関西弁とひとくくりに言っても京都と大阪の違いとか、そういうところが学べたのもおもしろかったです。周の同級生役で出演している小柴陸と吉川太郎(AmBitious/関西ジャニーズJr.)に「これあってる?」って確認したりもしました。そしたら「ほんまやな」とか簡単な言葉のイントネーションが意外と違うんですよね。
門脇 でも方言っていいですよね。ちょっと色っぽいというか、艶っぽいというか。言葉が変わるだけで気持ちが変わります。その人が普段から話している言葉、身につけている言葉って、人格形成にすごく影響を与えているんだなと思いました。
作間 いつも標準語で話しているから魅力を感じるのかどうか分かりませんが、方言、特に異性の方言ってなんかいいですよね。いいです。
――いち日と周は15歳差の夫婦ですが、年の差恋愛、年の差婚についてはどう思われますか。
門脇 お芝居とはいえ、シーンの中で気持ちがちゃんと動かないと、そのシーンは成立しないですよね。私は今まで年の差恋愛の話はやったことがなかったので、正直、現場が始まるまでどういう感じになるか分からなかったんですが、ちゃんと周に対して愛情も沸きましたし、恋愛の気持ちも動きました。年の差はあまり関係ないんだな、と実感しました。
作間 年の差はひとつの情報としてありますが、人によりますよね。中身は人によって違いますし、環境も違いますし。お互いを必要とし、状況が整うと、年の差は関係なくなると思いました。「15歳差なのか」って今、改めて思ったぐらいです。
門脇 年齢が若くても早熟な人もいるし、50歳でも60歳でも未熟な人もいるし、本当に年齢じゃないんでしょうね。作間くんが言うように、その「人次第」なんだと思います。
<作品情報>
連続ドラマW-30『ながたんと青と -いちかの料理帖-』
3月24日(金) 午後11:00 放送・配信スタート(全10話)
放送:毎週金曜午後11:00(第一話無料放送)【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】
配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信(無料トライアル実施中)【WOWOWオンデマンド】
原作:磯谷友紀『ながたんと青と―いちかの料理帖―』(講談社「Kiss」連載)
監督:松本壮史
脚本:川﨑いづみ 弓削勇
【出演】
門脇麦 作間龍斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)
中村蒼 久間田琳加 白石隼也/百田夏菜子(ももいろクローバーZ) 加藤小夏 菊池亜希子/小野武彦 飯田基祐 床嶋佳子/板尾創路 戸田恵子
提供元・ぴあエンタメ情報
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