病気やケガの際に掛かる費用を保障してくれる医療保険。家族が掛けてくれた保険にそのまま入っているという人も多いのでは?しかし、加入している保険の保障内容が自分に合っていないものだと、必要以上に保険料が高くなってしまうケースもあります。なんとなく選んだ保険に入っている人も、これから保険への加入を検討している人も、医療保険を選ぶときのポイントを知っておきましょう。
医療保険は大きく分けて2種類
社会保険に加えて、いざというときのお守りになってくれる民間の医療保険は、一般的に保障期間の長さによって「定期タイプ」と「終身タイプ」の2種類に分類されます。
定期タイプ
定期タイプの医療保険は、年齢や年数など定められた期間のみ保障されるというもの。満期になると保障終了となりますが、中には契約更新できる定期医療保険もあります。定期的に契約を見直すことで、生活状況の変化に柔軟に対応することができるでしょう。
終身タイプ
一方で終身タイプは、一生涯保障が続く商品です。保険料の払込期間は商品によって異なり、終身払いの保険もあれば、60歳または65歳で満了となるタイプもあります。
医療保険の選び方ポイント
医療保険の種類は実に豊富。どの保険会社もそれぞれのメリットを打ち出しているため、自分に合っているものはどれなのか迷いますよね。医療保険を選ぶ際は、いくつかのポイントを押さえて比較するようにしましょう。
1.保障期間
先述のとおり、医療保険には定期タイプと終身タイプがあります。ライフスタイルや経済状況に合わせて契約内容を見直したいのであれば定期タイプの医療保険を、定年後も変わらず保障を受けたい場合には終身タイプの医療保険を選ぶといいでしょう。
2.保険料の払込期間
定期タイプの保険料は、契約更新のたびに算出されるのが特徴です。注意点として、更新時の契約者の年齢と保険料率を基に計算するため、更新のタイミングで負担額が大きくなることを覚えておきましょう。
一方で、終身タイプの医療保険は契約更新がないため、保険料は契約当時のまま生涯変動しません。ただし、払込期間の違いによって毎月の保険料に変化が生じます。
毎月の保険料を安く抑えられるのは、生涯支払う必要のある終身払い。契約途中で払い込みを終えるタイプは毎月の保険料が高くなる反面、払い込みが終わった後は負担なしで保障を受けられるメリットがあります。
3.入院給付金日額
保障対象となるケガや病気が原因で入院する際、保険会社から支払われる1日あたりの給付金のことを入院給付金日額と言います。公的な医療保険も入院費用は保障してくれますが、入院中の食事代は保障対象に含まれません。個室に入院する際の追加費用も同様で、実費負担となります。
短期間で退院できれば少ない負担で済みますが、長期入院となると大きな金額になる恐れも。入院費用の負担を極力減らしたいのであれば、入院給付金日額が高めの医療保険だと安心です。
4.日帰り入院に対する保障の有無
長期入院が必要な手術がある一方、近年では医療技術の発展に伴い、日帰り入院で対応可能な手術も多くなっています。手厚い保障を望む場合は、日帰り入院でも給付金が受け取れる医療保険を選ぶといいですね。
5.入院給付金の支払い限度日数
入院給付金は、入院した全日数分が支払われるわけではありません。保障日数は医療保険ごとに定められており、長期入院になったとしても、受け取り可能な給付金は既定の入院日数分に限られます。
厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」によると、入院日数はここ30年近く短縮化の動きを見せており、2017年9月の病院における平均入院日数は30.6日で、1990年当時の47.4日と比較すると3分の2程度の日数で退院していることが分かります。
保険料は限度日数の長さに比例して高くなるため、できるだけ負担を抑える場合には近年の傾向を踏まえて短期間に設定してもいいでしょう。
6.特約
医療保険の多くには、メインの契約内容に加えてオプションとして保障内容を追加できる「特約」があります。特約の種類は、生活習慣病など特定の病気に特化したもの、高度な手術の費用を保障するものなどさまざまです。
中でも特に注目されているのが、今や2人に1人の割合で発症すると言われる「がん」。医療保険とは別にがん保険を契約するのも一つの手ですが、月々の保険料が高くなるのがネックです。そこでメインとなる医療保険にがん特約をプラスすることで、負担を軽くしてもいいでしょう。