市原が演じるのは、機械部品製造工場の社長・益野紳祐。妻を交通事故で亡くしている益野は、小学生の娘と2人で暮らし。小さな工場を経営する社長として仕事熱心な益野には、母親の死後、娘が言葉を話せなくなり、喉の調子が悪く、たびたび苦しそうにすることが心配事で、その原因が分からないため、母親が亡くなってしまった精神的なダメージから来るものだと思い、朝起きるとまずは娘の体調を気にするところから2日が始まる。益野の妻が亡くなったのは、妻と娘が横断歩道を渡っているところに、一時停止を無視して猛スピードで走ってきた車にひき逃げされたのが原因だった。ひき逃げ事件の犯人が捕まっていない中、自分の人生を台無しにした犯人のことを益野は恨んでいた。そんな益野にはひき逃げの犯人に心当たりがある。
市原は「今作品の中であふれ出る感情を抑えきれずに涙が止まらなく、NGを出してしまうことがありました。愛してやまない娘がそばにいるのに、孤独を感じてしまう過去を背負った男のぬぐいきれない悔しさを感じながら現場に立つことは、言葉に表せないほどに苦しかったです。そんな男が正義への概念を崩された先にたどり着く所は何なのか?そして、秩序と向き合う風間がなぜ教官になったのか? ひもとかれていく展開をお楽しみください」とアピール。
一方、内田が扮(ふん)するのは謎の女性・日中弓。弓はある夜、ホストクラブのオーナーの芦沢健太郎(久保田悠来)とタクシーに乗り込む。酒で酔っている芦沢の指示の下、タクシーは目的地へと向かうが、移動中に芦沢は弓に「俺の旅の記録だ」とタブレットの画面を見せる。その画面を見た弓は、血相を変える。そんな中、タクシーが急停止。「急に飛び出しきたネコをひいてしまったかもしれない」とタクシー運転手が慌てて車から降りて出ていく。タクシー運転手が車内に戻ってくると、弓は寝てしまっている芹沢を指定した場所まで送り届けるよう指示して、車から降りていく。指示された場所で芦沢を下ろそうとしたとき、タクシー運転手は芦沢が胸にナイフが刺さって死んでいることに気付く。ナイフは芦沢の指紋がついており、芦沢がポケットに忍ばせていたものだった。一緒に乗っていた弓はサングラスにマスクをしており、身元が分かる手がかりを残していない。タクシー運転手は、芦沢が女性に、旅の記録だという画像をタブレットで見せていたと証言する。