◆鶴巻も昔は熱い政治家だった?

 人間は失うことをとにかく嫌う生き物であり、せっかく手にした地位や権力を手放したくと思うのは当然である。加えて、大きすぎる権力を持ってしまったばかりに、余計なしがらみが増えてしまう。今まで通りに自由に動くことは容易ではなく、鷲津が特別に腹黒いということではないだろう。そう考えると、「地位や権力に固執している鶴巻も、かつては日本を豊かにしたいと希望を持っている熱い政治家だったのでは?」と夢想したくなる。

 とにもかくにも、今度は鶴巻や虻川からの復習が始まろうとしており、潰す側から潰される側に逆転してしまった。また、闇落ちしつつある鷲津に、眞人(杉野遥亮)と蛍原(小野花梨)も不信感を募らせており、特に蛍原は鷲津の対応が眞人の兄が過労死した遠因であることを知っている。場合によっては、仲間と思っていた秘書たちからの思わぬしっぺ返しを食らうかもしれない。

 残り2話、鶴巻らの逆襲に対して、彼ら以上により黒い闇で踏み潰すのか、清い心を持って受け止めるのか、鷲津の心境や行動に注目したくなる。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki