◆ラスボスは他ならぬ自分自身?

 大ボスを失脚させることに成功し、竜崎からは目の上のたんコブだった鶴巻を排除してくれたことを評価され、内閣総理大臣補佐官に就任する鷲津。これまで以上に強い影響力を持ったことにより、いじめや児童虐待防止の政策に積極的に取り組むようになる。無事に復讐を終えて、世のため人のために政治家人生を本格的に始動させ、めでたしめでたし、と思いたいがが『罠の戦争』は11話が最終話。まだ2話残っているだけに、ハッピーエンドを迎えるにはまだ早い。

 鷲津には最後の一山が用意されていそうだが、鶴巻以上の強大な敵が待ち受けているわけではなく、ラスボスは自分自身になるかもしれない。鶴巻が体調不良で倒れたニュースを不気味な笑顔を浮かべながら見ていたりなど、明らかに鷲巣の中にある黒い部分が溢れ出す。実際、以前とは比較にならないほど影響力を持った鷲津は根回しをバンバンするようになり、鶴巻や虻川秘書(田口浩正)を排除するために共闘していた熊谷記者(宮澤エマ)に対しても、鷲津の“お友達”のスクープを握りつぶすよう持ちかける。

 さらには、政治資金規正法違反の疑いに関する記事が出た後には、第二秘書の貝沼(坂口涼太郎)を呼び出す。具体的にどのような話し合いがされたかは不明だが、「この件は貝沼が勝手にやったことにしてほしい」といった提案をされた可能性が高い。鶴巻が隠ぺいの件で世間を欺こうとした“常套手段”をすでに体得しており、鷲津の鶴巻化が着々と進行している様子だ。