「風水」は、物の配置によって気の流れをコントロールすることで、運気をアップする知恵です。運気の入口である玄関が鬼門に当たっていると、住んでいる人の運気がダウンしてしまいます。とはいえ、家を買い換えたり転居するのは容易ではありませんね。そこで、ここでは、簡単にできる鬼門の玄関の対策をご紹介いたします。
風水の基礎知識~鬼門の意味とは
風水は中国発祥。運気アップの知恵です
風水(ふうすい)の起源は、約4千年前の中国に遡ります。一口で言えば「氣」の力を利用して開運する方法です。具体的には、衣・食・住といった生活の環境から、精神環境に影響する行動や習慣にいたるまで、その人を取り巻く環境全ての状態を良い状態に保つことで運を開いていきます。
とくに、生活の場であり睡眠をとる場である「住まい」については、風水の知恵を反映させることで、住んでいる人全員の運気をぐっとアップさせることができます。
風水の本場、中国・香港・台湾では、巨大なオフィスビルやホテルも風水の知恵をもとに建築されています。香港の香港上海銀行と中国銀行の、壮大な「風水戦争」はつとに有名ですよね。今でも香港の一大風水スポットとして多くの観光客が訪れています。
「鬼門」にはどんな意味があるの?
手相や人相のように、住まいにも家相という考えがあります。家の地勢や方位、間取りなどがその家に住む人の運勢を左右するというものです。そのうち「丑寅(うしとら)」の方角すなわち北東は、「鬼が集う方角」として鬼門と呼ばれるようになりました。
平安京(現在の京都市)は四神相応の地(北:玄武、南:朱雀、東:青龍、西:白虎)であることから首都の地として選ばれました。今でも、京都御所を中心に、京都の東西南北には四神を司る神社が鎮座しています。
そして、平安京にとっての鬼門には、都に厄災がもたらされないよう、比叡山延暦寺が建てられました。このように強力な風水パワーで守られた平安の都は、794年から明治まで実に1千年以上も、日本の首都であり続けたのです。
鬼門に玄関があるとどうして良くないの?
なぜ北東が鬼門なの?
方位の中でなぜ北東が「鬼門」とされたのかについては諸説あります。まず、風水の起源である中国では、北東の方角から外敵が侵略してきたためということがあります。また、日本の湿度の多い風土では、日当たりの悪い北東はジメジメしてカビが発生しやすく、体調に支障を及ぼしがちです。
そして、裏鬼門と呼ばれる南西は、西日が当たるため暑すぎて食物なども腐りやすく、同じく環境としてはよくありません。そうした実質的な理由からも、鬼門は家相の中でも特別な方角とされています。
玄関は、風水上特別な場所です
風水では、玄関をその家に住む人の運気を左右する場所として最重要視します。玄関は、家の顔としての役割を持ち、かつ、外界との境目だからです。その玄関が鬼門にあると、良い気を呼び込めず、逆に厄災を呼び込みやすいと考えられているのです。
実際に、北東にある玄関にはお日様の光が差し込みませんので、暗い印象になります。湿気が溜まりやすく、植物なども育ちにくいため、東や南などの方角と比べると、住環境にも良くないのです。
鬼門の玄関・対策①掃除を徹底する
靴や物を片付けましょう
玄関は、風水で最も重要視される開運スポットです。風水の基本は清潔に保つこと。そのため、玄関は一にも二にもお掃除が大切です。とくに重要なポイントは以下の2点です。
POINT
余計な物は置かない
玄関は外から良い運気を招き入れる場所です。そのため、必要最低限の物以外は置かないことを徹底しましょう。とくに、季節外れのものはタブーです。冬に使う物は冬に、夏に使うものは夏に「だけ」置いてよいのです。
POINT
靴は最小限度に
靴がたくさん出しっぱなしになっている玄関は、匂いも発生しているはずです。靴は、履いて帰ったものは乾燥させてからしまい、履く時に靴箱から出しましょう。基本的には靴は全てしまっておいたほうが良いのですが、もし出しておくとしても、住んでいる人数プラス1足が上限です。
水拭きでピカピカに仕上げましょう
玄関のたたきは、土足で踏むこともあり、ほこりや汚れが溜まりがちです。そのため、とくに鬼門にある玄関では、たたきもしっかり掃除することが必要です。最低でも週に1度は水拭きしましょう。
一戸建てなど構造が許せば、水をまいてしっかり磨き、流します。水は、邪悪な気をきれいさっぱり流してくれ、ピカピカなたたきを見ると邪悪なものは一歩も入れなくなるのです。
仕上げに、ほのかな香りづけを
風水では、匂い・香りも重要です。出しっぱなしの靴や湿気・カビなどで「匂い」が漂っている玄関は、良い運気どころか運気を下げるモノ達が好んで入ってきます。一方、ほのかで爽やかな香りは、清浄な気や良い運気を引き寄せます。お寺でお香が焚かれるのもそうしたことからです。
鬼門の玄関におすすめの香りベスト3
①森林系の香り‥ヒノキ、サイプレスなど。入ったとたんに「心地よい」と感じる香りです。
②ユーカリ、ティーツリー‥湿気や匂いの気になる玄関におすすめです。
③柑橘系‥グレープフルーツなど。甘くなりすぎない爽やかな香りで、フレッシュな気を呼び込みます。
鬼門の玄関・対策②光と風の力を使う
照明器具で明るく保ちましょう
鬼門の玄関は、日当たりが良くないため暗くなりがちです。暗い玄関では良い気を引き寄せるのは難しいうえ、汚れが目立たず掃除が行き届かなくなります。他の方角の玄関以上に明るくすることを意識しましょう。
明るい玄関にする方法
①玄関の明かりをつけておく…LED電球などに替えて、できるだけ電気をつけておくようにしましょう。
②センサーライトを利用する…家族が帰ってきた時に、明るい玄関で迎えることによって、「ホームに帰ってきた!」と心身ともに感じることができ、ストレスが吹き飛ぶ効果もあります。
③玄関周りに物を置かない…明り取りの窓を塞いだり、扉を開けた時に光が入ってくるのを妨げないように注意しましょう。
良い運気は、ごちゃごちゃしていて入りにくい玄関には入ってきてくれません。「きれいで入りやすい、入りたくなる」と感じる玄関を目指しましょう。
風通しをよくしましょう
鬼門の玄関は、風通しが滞ると湿気や匂いが溜まりがちに成ってしまいます。良い気は、爽やかに風が通る玄関を好みます。きれいに掃除をしたら、風通しをよくして湿気を帯びないようにしましょう。
玄関の風通しをよくする方法
①なるべく扉を開放する…夜間、寝ている間に家の中の空気がよどんでしまいます。毎朝扉を開けフレッシュな空気と気を家の中に入れる習慣をつけましょう。
②玄関扉に網戸をつける…可能であれば、玄関扉に網戸を取り付けてできるだけ通風しましょう。アコーディオン式の網戸も便利です。
③対角線上の窓を開ける…風がよく抜けるために、玄関と対角線上にある窓を開けましょう。