「日テレにかぎらず、今は多くの地上波ドラマも、放送だけでなく配信との連動を強く意識しており、人気者をキャスティングしたうえでスピンオフを作るのも定番となってきた。実際、この『大病院占拠』でも、菊池風磨演じる青鬼/耕一を主人公にしたHuluオリジナルストーリー『大病院占拠前 the night before』を制作。11日に前編、最終回放送の18日に後編をHulu独占で配信する。そして、櫻井が広瀬すずとW主演した2021年の『ネメシス』の劇場版が今月公開となるように、企画段階から映画化やシーズン2を見据えて製作するのも昨今の主流。『ネメシス』はもともと、豪華なキャスティングのみならず、監督・脚本・監修まで、最初から映画を意識した制作体制でしたからね。今や地上波放送のCMだけではとてもやっていけず、いかに多角的に稼ぐか、というのがドラマプロデューサーに課せられた命題です。『大病院占拠』はあえてチープなつくりにしたことで盛り上がったのだから、コスパもいい。テレビ屋としては何らかの形でシリーズ化させたいIPでしょう」(テレビ関係者)

 確かに『大病院占拠』も、最終回のタイトルは「大真相」ながら、「真の黒幕とは?」「これまで見たものがひっくり返る衝撃の展開」などと煽っており、放送拡大でもない通常の1時間枠で収まる内容なのか、気になるところだ。

「以前からソニン演じる和泉管理官の黒幕説も根強くあるが、残り1話ですべてを回収できるかは微妙なところ。謎を残しつつ、本当の真相は映画で明かされる……というのはありえそう。あるいは、『大病院占拠』のプロデューサー陣は、シーズン2やHululオリジナルストーリーがつくられた『ボイス 110緊急指令室』であったり、Huluとの共同製作ドラマとしてシーズン2がHulu独占配信となった『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』も手掛けているので、『続きはHuluで』パターンもあるかも」(前出・テレビ誌記者)

 真相を先送りされれば、櫻井演じる刑事の口癖「嘘だろ」の大合唱となりそうだが、はたして……。