旅行積立のデメリット

旅行という明確な目的があれば、利用しない手はないと思えるほど、メリットの多い旅行積立。しかし、やはりデメリットもあります。商品を選ぶ際には、メリットとデメリットの両者を比較・検討していくべきでしょう。ここからはデメリットを確認していきます。

デメリット① 旅行の目的にしか使えない

繰り返しになりますが、旅行積立の利用は 旅行や航空券、乗車券などの用途に限られます。 積み立てるだけで手軽にお金が貯められるうえに利率もいいのですが、積立金は自社の旅行券として戻ってくる仕組みです。

急に他の事情でお金が必要になっても、積み立てた金額をお金として使うことはできません。ですから、旅行積立は、必ず行くと決めた旅行の費用を準備する目的で、活用するようにしましょう。

デメリット② 使えるのは自社もしくは取り扱い旅行商品のみ

大抵の場合、満期時に受け取った旅行券を利用できるのは、 旅行積立を行った会社が提供するパッケージ旅行など自社のサービスのみ です。そのため、積み立てをした会社以外で安いパッケージ旅行を見つけたとしても、旅行積立のお金を使えないということは、あらかじめ頭に入れておく必要があります。

また、どのような旅行に「旅行積立」を利用したいのかも大切なポイントです。満期でもらえる旅行券が、パッケージツアーだけでなく航空券単体にも使えるか、他社の旅行商品も扱っているか――といった点にも注目するとよいでしょう。

意外な盲点なのは、 旅行券がインターネット予約で使えない場合がある こと。旅行もネット予約が当たり前になりつつある現在、いざツアーをネットで予約しようと思ったら旅行券不可だった……!というようなことにならないよう、ネット予約での取り扱いについてもあらかじめ確認しておきましょう。

デメリット③ 途中解約は損になる可能性も

旅行積立は、一部のサービスを除き、原則的にはお金を積み立てる期間が決まっています。満期を迎える前にやむを得ず途中解約をした場合は、サービス額がつかず、旅行券の券面金額が支払った金額を下回ることもあります。なお、 途中解約であっても、戻ってくるのは現金でなく旅行券 である点にも注意しましょう。

デメリット④ 旅行会社が倒産したら返金されないリスクがある

旅行積立は、預金保護機構による保証がある銀行預金と違い、 万が一の際にも積立金は保障されません 。航空会社や旅行会社が倒産してしまった場合、積み立てたお金は戻ってこないリスクがあることは理解しておきましょう。

旅行積立商品は、サービス額率や旅行のラインナップの豊富さだけでなく、信頼性の高い会社を選ぶなど、慎重さをもって決めたほうがよさそうです。

デメリット⑤ 旅行券の有効期限を過ぎたら使えない

実は、満期で受け取った旅行券には、有効期限が設定されているものもあります。契約時には、必ず行くと決めていた旅行でも、家族の健康状態など、満期の時点で状況が変わった場合、数年単位で旅行を延期せざるを得ない――ということもあるかもしれません。

なかには、有効期限が5年と短めの旅行券もあります。さまざまなシチュエーションを考慮して、旅行券が無駄にならないようにしたいですね。

(写真=Zerbor/Shutterstock.com)