大谷の帰還は国民的関心事となり、大谷がフリーバッティングで打席に立っただけでも一騒動。民放各局が大谷の打撃練習を延々と放送する異常なシーンもあったが、大会を盛り上げるためには関係者も苦労している。

「少しでも野球に興味がある人には常識ですが、世界的に見れば野球はマイナースポーツ。今回のWBCには20カ国が出場していますが、普段から真剣に野球をやっているのは上位10カ国ぐらいで、あとは“寄せ集め”です。オリンピックより出場条件がユルいので、例えばプールAで勝ち上がったイタリアの主力選手は、アメリカで生まれ育ったイタリア系アメリカ人ばかり。そうでないとチーム数が集まらないのが現状です。

 日本と戦ったチェコ代表には消防士、会社員、金融トレーダー、大学生などがいましたし、日本vs中国戦の中国チームで3番を打っていたのは、元ソフトバンクの真砂勇介。正直に言えば、日本が負けるはずはない相手です。チェコの投手が投じるストレートは120キロ台でしたから、日本で言えば中学生レベル。侍ジャパンの選手たちは、遅すぎてタイミングが合わない感じでしたね。

 けれども解説者は、口が裂けてもそんなことには触れません。絶対に負けないような相手だとわかれば、興味を失う視聴者も多いでしょうから、チェコや中国の選手を見ても『良いボールですよ』『鋭いスイングですね』と褒め称えるしかないんです」(フリーのスポーツ記者)