街の書店が年々減っています。ある統計では2000年ごろ2万店近くあった書店も、17年には1万2,000店ほどになっています。本や雑誌を買う人が減ったことや、インターネットでの購入が増えたことなどが理由でしょうか。こうした中、各書店は生き残りをかけて特色を打ち出しています。最近人気を集めているのは、本を選んで買うだけではない「体験型の書店」です。

本の先にある体験を提供する次世代型書店は東京、京都、福岡に出店――天狼院

(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)

東京・池袋で誕生した書店「天狼院」。「READING LIFE」という新しいライフスタイルを提案、本だけでなくその先にある体験までを提供する次世代型書店を打ち出しています。

それだけに、店内ではライティングやマーケティングに関するゼミ、落語部などの部活動、読書会などさまざまな体験ができるのが特徴です。

おしゃれなスイーツが食べられるカフェも併設。コタツ席(夏は「冷やしコタツ」)もあり本好きにはたまらない造りです。

最初に誕生した「東京天狼院」など池袋駅近くには計3店舗、ほかにも福岡と京都にも店舗を構えています。最近では書店員やファンをメンバーに迎えた劇団を旗上げして公演を行うなど、活動の場は書店の外にも広がっています。

天狼院書店

オクシブの出版・編集も手掛ける書店――SPBS

(写真=Suratchana Pakavaleetorn/Shutterstock.com)

東京・渋谷区神山町に店舗を構えるSPBSは、SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSという名前だけあって、出版・編集の企画も行う書店です。SPBS本店のある神山町周辺はおしゃれなショップやギャラリー、カフェが立ち並び、最近は「奥渋谷」(オクシブ)などと呼ばれる注目のスポット。SPBSの出店は2008年ですから、まさにオクシブブームの立役者といえるかもしれません。

ガラス張りで外から内側がよくみえる店内では、著名な作家や出版業界の有名人、フォトグラファーを招いてのセミナーなどさまざまなタイプのイベントを実施。本のある暮らしをイメージできるような、おしゃれな雑貨や古着なども販売しています。

書斎のようなギャラリースペースの貸し出しを実施するなど、人が集う工夫が随所に見られる書店となっています。

SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)

朝活英会話、家具の購入、イベント、ビールなどが楽しめる――B&B

(写真=JHK2303/Shutterstock.com)

下北沢にある「B&B」は、「Book&Beer」の略を店名にしただけあり、本といっしょにビールが楽しめる、一風変わった書店です。アルコールが飲めるというと、夜の営業と思われがちですが、早朝から学べる「ビジネス英会話スクール」を開催するなど、朝から晩まで楽しめる空間となっています。

店内に置かれた家具はすべて家具店「KONTRAST.inc」の北欧ヴィンテージもの。気に入れば購入することもできるという、家具店としての顔もあわせ持ちます。

知らない世界へとつながる「場」を提供してくれるB&B。「これからの街の本屋」を目指す書店だからこその楽しみ方にあふれています。

B&B