(左上から時計回りに)アンジェラ・バセット、ホン・チャウ、ステファニー・シュー、ジェイミー・リー・カーティス、ケリー・コンドン
マーベル映画『ブラックパンサー』シリーズで知られる名女優のアンジェラ・バセットが、アカデミー賞で見せた“リアクション”がネット上を席巻している。
3月12日(日 ※現地時間)、アメリカでは世界最高峰の映画の祭典「第95回アカデミー賞授賞式」が開催。同授賞式では、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(以下、『エブエブ』)』が作品賞を含む最多7部門を獲得し大きな話題を集めた。
本授賞式の助演女優賞には、『エブエブ』に出演していたジェイミー・リー・カーティスとステファニー・シューのほか、アンジェラ・バセット(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)、ホン・チャウ(『ザ・ホエール』)、ケリー・コンドン(『イニシェリン島の精霊』)の5人がノミネートされており、大方の予想では、絶好調の『エブエブ』女優が獲るか、もしくはアンジェラが獲るのではないかと見られていた。
アンジェラは、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』にて、ワカンダ王国を統治していた国王ティ・チャラ(演:チャドウィック・ボーズマン)を失い悲嘆に暮れる女王ラモンダを好演。アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデン・グローブ賞では見事、助演女優賞(映画部門)を獲得し、マーベル・コミックを原作とする映画で主要な演技賞を初めて受賞した俳優となった。
また、マーベル作品で初めてアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたのもアンジェラが初めてのことであり、マーベルファンからは彼女の受賞を期待する声が多くあがっていた。
しかし、日曜日の夜、最優秀助演女優として名前を呼ばれたのは、アンジェラではなく、『エブエブ』のジェイミー・リー・カーティスであった。共演者のステファニー・シューはジェイミーの受賞を自分のことのように大喜び。一方、賞を逃したホン・チャウやケリー・コンドンは、ほほえみながらジェイミーに拍手を贈った。
そんな中、ネット上では、受賞者発表時のアンジェラの“リアクション”が話題に。ジェイミー・リー・カーティスの名前が呼ばれた瞬間、アンジェラは微動だにしなかったことから、一部の視聴者から、否定的なコメントが少なからず寄せられることとなった。
「誰が勝つべきだったかは関係なく、ジェイミーが勝ったとき、アンジェラ・バセットは不機嫌そうに座っていた。(中略)もしアンジェラが勝っていたら、ジェイミーは拍手したと思う。彼女は自分のリアクションが生放送されることを良く分かっていた」
「アンジェラ・バセットは好きな俳優のひとり。だけど、受賞できなかったときのリアクションは好きじゃなかった。プロ意識に欠け、不機嫌そうに見えた。彼女が勝たなかったことにガッカリしたけれど、彼女のリアクションにはもっとガッカリした」
しかしながら、ほかの多くの人々はアンジェラが落胆するのは無理もないと感じているようだ。というのも、アカデミー賞授賞式が開催されるようになったのは、1929年。90年以上の歴史を持つにもかかわらず、これまでに助演女優賞を受賞した黒人女性は、数えるほどしかおらず、主演女優賞にいたっては、2001年のハル・ベリー(『チョコレート』)のみとなっている。
このことから、アンジェラが目に見えて動揺していたのには、単にジェイミーに負けたのが悔しかったのではなく、こういった歴史的背景も関係しているのではないかと考えている視聴者もいるようだ。
「みんなアンジェラ・バセットのリアクションについて話したがっているけれど、その一方でジェイミー・リー・カーティスの名前が呼ばれたときのケリー・コンドンのリアクションはムシするんだね。ダブルスタンダードだよ」
「アンジェラ・バセットがオスカーを受賞すべきだった。ハリウッドが再び白人女性に賞を投げ渡すことに、黒人女性がどう対処すべきかを語るバカを楽しませるために、彼女がリアクションをいつわらなかったことがうれしい」