◆電話で延々と愚痴るAさん
Aさんと疎遠になる決定的な出来事は、永山さんの子どもが保育園に入ってから起こりました。
仕事に復帰して時短勤務をこなしながら育児も家事もがんばっている永山さんは、仕事の都合でたまに訪れる振替休日を楽しみにしていました。子どもを保育園に送ってからゆっくり過ごせる平日は、永山さんにとってリフレッシュする大切な時間。
ある日、お昼になってAさんからLINEのメッセージが届き、「彼氏と喧嘩したから話を聞いてほしい」と読んだ永山さんは今日は話す時間がある、とすぐに返信します。
その頃Aさんは「上司の紹介で知り合った」と話すある男性と付き合っており、先日婚約したことを報告されていました。
「うれしい話だし、手放しで喜びました。子どもを実家に預けてふたりでお祝いしたし、内心ではこれでAも結婚生活の大変さがわかるかな、なんてことも思っていて」
電話があったのは午後3時、「歯医者の予約があって早退したの」と言うAさんに喧嘩の内容を聞いてみると、「元カノと会うのをやめてくれない」というものでした。
「ひどいよね」「婚約者がいるのに」としきりに同意を求めながら話を続けるAさんとの電話は二時間を超え、そろそろ保育園のお迎えの時間が近づきます。