当時、アニメファンから「キャラの声が変わるのだけは勘弁」「ドラケンの声が変わるとか、ありえない」と強い反発の声が殺到していたが、後任の声優・福西勝也が声をあてた映像が公開されると一転、「声がそっくり」「すごくいい」と好評だった。

 また、声優・櫻井孝宏は、アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(TOKYO MXほか)で岸辺露伴役を演じた繋がりから、20年に放送された高橋一生主演の実写ドラマ『岸辺露伴は動かない』(NHK)で予告編のナレーションを担当。

 しかし、昨年10月と今年1月にそれぞれ別の女性との不倫が発覚。その影響か否か、5月26日公開の高橋主演映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の特報映像ではナレーションを声優・内山昂輝が務めたのだが、引き続き櫻井が担当していると勘違いするファンが続出。ネット上で「櫻井さんが降板しなくてよかった」「やっぱ露伴役は櫻井さん以外にいない」と安堵の声が相次ぐ事態となったのだ。

 このように成功例が続いていることから、ネット上では「大概の声優は替えが利く」と主張する人も少なくない。もちろん、後任の声優による努力の結果であるが、近年はいろいろな声色を出せる器用な声優が増えているほか、ネットの普及により音声サンプルデータのやり取りが気軽に行えるようになったこともあり、業界内では“似ている声”を探しやすくなったともいわれているようだ。

 タラオの交代により、また一つ“声優は替えが効く”ことが実証された声優業界。愛河の場合、貴家さんへの熱いリスペクトが感じられたが、鈴木や櫻井のファンにとっては複雑な心境かもしれない。