空前のアウトドアブームと言われていますが、最近では一人で行う「ソロキャンプ」にも注目が集まっています。ドラマやアニメのテーマになるほど一般的になりつつあるソロキャンプの魅力とは、何なのでしょうか。持っておくと便利な装備もご紹介します。

「一人○○は寂しい」なんて昔の話

最近、「ソロキャンプ」という言葉をよく耳にするようになりました。かつては一人でテントを張って寝るなんて、自分探しの自転車旅での“野営”“野宿”くらいに限られていたものです。それが、25年ぶりのキャンプブームが到来し多くの人がカジュアルにアウトドアを楽しむようになったことで、より手軽にキャンプを楽しむソロキャンパーも増えてきました。

「一人カラオケ」や「一人飲み」、「一人ディズニー」に対して「寂しくないの?」なんて言う人はもはやいないですよね。誰にも気兼ねすることなく、自由に自分の時間を過ごす。そんな「お一人様」スタイルでのキャンプが、すっかり浸透しているのです。

ソロキャンプを題材にしたアニメやドラマも人気

漫画やアニメ、ドラマにもソロキャンプを扱ったものが増えており、それらもソロキャンプ人気を後押ししていると言ってもいいかもしれません。2019年10月~12月に放送されたテレビ東京系ドラマ『ひとりキャンプで食って寝る』は、そのタイトル通り主人公が一人でキャンプに赴き、好きなものを食べて寝るだけ。

自然の中で食材を現地調達したり大好きな缶詰をアウトドア風にアレンジして食べたりしながら、一人の時間を過ごしつつ、他のソロキャンパーとの交流も楽しむ。このドラマを見て、そんな“ゆるい”キャンプに興味がわいた人も多いのではないでしょうか。

ゆるいと言えば、累計発行部数が250万部を超え、アニメ化もされた漫画『ゆるキャン△』も、ソロキャンプのゆるい空気感を描いて人気を博しました。アニメ放送時には、作品に登場する本栖湖畔に実在する「浩庵キャンプ場」へ“聖地巡礼”として訪れる人が続出したほど。2020年1月からテレビ東京で実写化ドラマも放送されています。

キャンプ好きの女子高生が、誰にも邪魔されずに過ごせるソロキャンプを気ままに楽しむ。同級生もそれに感化されて、各々が、あるいはみんなでキャンプを楽しむという物語です。

あえて一人で過ごすソロキャンプ

ソロキャンプの魅力は、自分だけの時間に浸って無心になれるところにあります。仕事のしがらみや都会の喧騒から離れ、自然の中でぼーっとする。食べたいものを誰にも遠慮せずに、好きなだけ時間をかけて準備してもいいでしょう。

山で食べるカップラーメンが格別なように、わざわざキャンプで食べることでしか味わえない贅沢があります。夜が更けていくのを肌で感じながら、お気に入りの酒とともにのんびりと食事をすれば、日頃のストレスなど消えてなくなるかもしれません。

そして、なんといっても欠かせないのが焚き火です。調理にも使えるし、暖を取るのにも必要ですが、揺らぐ炎を見ているだけで癒やされるという人もいます。薪をくべながら、火を安定させていく。いつまでも見ていられるような不思議な魅力があります。

そんなソロキャンプですが、終始一人きりというわけでもありません。自由は確保しつつ、SNSで友達とやりとりしたり、他のソロキャンパーと交流したりする人も多いようです。一人で気ままではあるけれど、ゆるく他人と繋がった状態というのも魅力のひとつなのです。