出演者の喜怒哀楽を表現するうえで、選択肢として選んだ部屋に入り、正解発表で正解の部屋にMCの浜田さんが入るという演出もよく出来ているなと思います。予想した選択肢で空間を分けることによって、同じ予想をした者同士の仲間意識が芽生え、正解発表前に不安を共有したり、正解発表後に喜びや悔しさを分かち合う空間が出来上がっています。

 クイズ番組で視聴者が興味を持って見るのは当然ながら「クイズの問題とその正解を発表する時」。出演者はクイズを予想する時間も楽しいと思いますが、視聴者にとっては他人がクイズを予想している時間というのは退屈なものです。だからこそ、多くのクイズ番組は「予想タイム」「出演者の回答が出てから正解を発表するまでの時間」「正解発表してから次のクイズの出題までの時間」をコンパクトに編集し、より多くのクイズ問題を出題していくことで視聴者を飽きさせないようにします。

 しかし、『芸能人格付けチェック』はクイズ以外の部分でも視聴者が楽しめる要素がふんだんに詰まっています。今回の正月の放送も4時間の尺で出題されたクイズはたったの6問。6問のクイズで4時間も視聴者を楽しませ続けるというのは驚異的です。

 また、この番組でミシュラン店の寿司とくら寿司の寿司を見極められない芸能人を見ることで視聴者は「別に高級店に行かなくてもいいんだ」「所詮たいした違いはないんだ」という安心感も潜在的に持つことが出来ている気がします。とにかく、何から何まで素晴らしい番組だなと思います。それでは今日はこの辺で。