日経平均株価の続落・下落・反落・最安値・反発・上昇など…。日々ニュースなどで耳にする株価について、皆さんはどれくらい理解していますか? 今回は、株価が下がると実際にどのような影響があるのかを簡単に説明していきます。
株価が下がっているってどういう事…?
コロナの影響で乱高下する株価。日々せわしなく変化する株価がよくニュースでも取り上げられていますが、皆さんはこれが一体どういうことなのか、理解できているでしょうか? そもそも、株価が下がるという事はどういう状態なのでしょう。
株式会社は一連の手続きを行うと、株を発行する事ができます。
株式を公開している会社の場合、発行された株は市場にて売り買いされ、需要と共有のバランスに応じて1株の株価が決まります。
例えば、1株1000円の会社が、1万株発行している会社の場合は、1000円×1万株で時価総額が1000万円になります。
株式は市場にて自由に売り買いが可能です。1000円の株を1100円でも買いたい人がいれば1100円で売れます。人気がなく1000円で売れない場合は、900円に下げて販売する事も、それでも売れない場合はさらに単価を下げて800円、700円、600円……と販売する事もできます。
「株価が下がる」という状態は、上記のように、買いたい人より売りたい人が多く、安くでも売りたいという人も増え、株式自体の価格が下がっている状態となります。
1万株発行の1株1000円で取引されていた株式が800円に下がった場合、800円×1万株となり、企業の時価総額は800万円になってしまうということです。
株価が下がるという事は、市場に出ている株が、買いたい人より売りたい人が多く、結果として株価が下がっている状態を指し、それに伴い企業の時価総額も下がるという結果をもたらします。
株価が下がるとどうなるの?(会社側)
実際に株価が下がるとどのような事が起こるのでしょうか?
まず、2つの面から企業の資金調達が難しくなります。
企業が新しい事を始める場合に資金を集める場合ほとんどの場合は、銀行など融資を受けるか、株を売り市場から資金を調達します。
銀行など融資を受ける場合、銀行は融資先が信頼がおけるか調査します。その際に1つの基準となるのが時価総額です。銀行はいざとなった場合、お金を返してもらえるか? という信用で融資限度額を決定します。時価総額が1000万円の会社と800万円の会社では銀行からの融資額が変わるということ。下げれば下がるほど銀行の融資額も下がってしまうのです。
また市場からの資金調達を考える場合、会社は新強い株を発行する、もしくは自社の保有する株を売却するなどして、資金を得ようとします。設備投資資金として、200万円を調達しようとする場合、1株1000円の場合は、2000株の販売で調達できますが、800円の場合は2500株売らなければならないということになります。
株価が下がると、会社の資金調達が難しくなり、投資をひかえたり、場合によっては経営自体も厳しくなってしまうことがあります。
会社が投資をひかえると、
- 新しい人材を雇用しなくなる、それに伴い教員や研修費も減る
- 新しい機材やシステムなど設備に対する投資が減る
- 新しい商品も生まれにくくなり、開発費や広告宣伝費も減る
- 会社の不動産購入や新店舗の出店数も減る
というように会社のお財布の紐が厳しくなり、企業から出るお金が減ることで経済の低迷につながります。
株価が下がるとどうなるの?(投資側)
株価の影響を受けるのは株を発行している会社だけではありません。
株式を持っている投資側も大きな影響を受けます。
1株1000円の株を1000株持っている人の、保有する株式が1株800円に下がったとします。
今までは100万円の価値があったもの(100万円で売れるもの)が80万円の価値しかなくなってしまったということです。
貯金が100万円あったはずなのに、急に80万円になってしまった…ということが起こるのです。買おうと考えていたものを買い控えたり、予定より安いもので済ませたり…と考える人が多いのではないでしょうか? その結果、株価が下がる事で消費ニーズが減り、株の投資側から見ても経済の低迷につながるのです。