コンプライアンス遵守の流れによって、地上波テレビにおける表現がマイルドになっているなか、『名アシスト有吉』のようにハードな内容を含むネット配信バラエティ番組が増えている昨今。“吉本”と“非吉本”の断絶が加速されていくのではないかとの懸念もある。

「地上波の番組に比べて、ネット配信の番組は権利関係がしっかりしている。だからこそ揉めるケースも多いんです。特に吉本は、ほかの事務所に比べると、そのあたりのお金にうるさくて、トラブル的なものに発展やすいと言われています。“なあなあ”でできる地上波であれば、事務所も関係なく気軽にいろいろなタレントをブッキングできますが、配信番組だとそうはいかない。今後も、うるさい吉本を排除したネット配信番組が増えていくかもしれません」(同)

 日本のお笑い界は、歴史的に“吉本”と“非吉本”に分けられがちなのは事実だ。しかし、ここ最近はその垣根がなくなりつつあった。

「芸人同士のカラミという点では、事務所の垣根はあまり関係なくなっていますよ。吉本の若手が他事務所のライブに出ることもあるし、その逆もある。ただ、それはあくまで芸人同士での話。事務所同士の関係性は、変わらずライバルなんですよね。いろいろな形で、事務所間の対立構造が露見されるたびに、現場の芸人たちは困惑しているはずです」(構成作家)

 面倒な事情があるにせよ、事務所同士の断絶によってデメリットを被るのは、出演機会を失う芸人たちだ。“吉本”と“非吉本”の対立は、お笑い界への負の影響を与えてしまうかもしれない。