新社会人として一歩を踏み出し、忙しいながらも遊びに仕事に充実の日々を送る20代。しかし、ふと気付くと20代後半になり、無我夢中で働いているうちに30代へ突入……と、時間はあっという間に過ぎていきます。20代後半から30代にかけてはライフスタイルの変わり目。仕事や恋愛、お金の価値観は、年齢と共にどのように変化していくのでしょうか?

【働く】自分のために働く20代、家族のために働く30代

2015年、大手転職サイトのエン転職がサイト内で行なった「仕事」についての調査によると、「あなたが働く理由」との質問に対し、「収入を得て家族を支えるため」と答えた人が20代で33%、30代で54%でした。

また「収入を得て自立するため」と答えた人が20代で66%、30代で45%と集計の上位に入り、収入が仕事をするうえでの大きな理由となっています。

これらの数字を見ると、家族のために働くのは20代よりも30代が多いのに対し、自立するために働くのは20代が多く、30代はそれよりも割合が低くなっていることが読み取れます。

学生時代は、実家暮らしの人はほとんど何不自由なく生活ができていたのではないでしょうか。一人暮らしをしていたとしても、親からの仕送りなどで生活費がまかなえていた人も多いかもしれませんが、働き出したらそうはいきませんよね。

変わらず実家暮らしをしていても、社会人になれば実家の家計に生活費を入れる必要も出てくるでしょう。また奨学金で進学した人は、自分でその返済をする必要も出てきます。

20代のうち、特に前半は「ひとり立ち」するためにお金が必要になるものです。そうしたことから20代は「自分のために働く」という意識が強くなるのではないかと考えられます。

それに対し30代ともなれば、そうした状況が落ち着き、結婚して家族ができるなど、ライフステージが大きく変わる人が増え始めます。自分のことよりも家族が優先となり、収入を得る目的も変わり、それにともなって働く目的も変わるのではないでしょうか。

そのほか、「自分自身の成長のため」と答えた20代が53%、30代は50%、「人生経験を積むため」と答えた20代が53%、30代が50%と、世代にかかわらず高い向上心が仕事をするうえでのモチベーションになっているようです。

【恋愛】ドラマを求める20代、人生のパートナーを探す30代

これまではドラマのようにドキドキする自由な恋愛に夢中だったけれど、年齢を重ねるにつれて将来のパートナーを意識し始めるようになったという人も多いのではないでしょうか?

隣にいてほしいのは、楽しい時間を共有するパートナーから、一生を添い遂げるパートナーへ。20代後半から30歳前後は、今後のライフプランを具体的にイメージし始めるタイミングです。

厚生労働省が発表しているデータによると、2017年の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性は29.4歳です。となると、恋愛期間を含め男女共に20代後半には一生を添い遂げられるパートナーを探し始めるのではないかと推察できます。

近年ではパートナーシップの多様性が社会的にも広く知られるようになり、より自分の人生観や恋愛観に合った生き方も選択しやすくなってきました。

結婚という従来のスタイルにとらわれず、事実婚やパートナーシップ制度を活用した共同生活など、それぞれの価値観に合ったパートナー探しをしている人たちも表れ始めています。