生活保護を受給すると、家賃の補助を受けることができます。しかし、生活保護から家賃補助を受けるための物件には一定の基準があり、どんな物件でも自由に選択できるわけではありません。
今回は、家賃の補助を受けられる住宅扶助制度で補助を受けられる家賃の金額や、選べる物件などについて詳しく解説していきます。
生活保護の住宅扶助(家賃補助)とは
生活保護を受給すると、生活保護費とは別に住宅扶助を受けることができます。
住宅扶助とは、困窮のために最低限度の生活を営むことができない人に対して、家賃などを補助するものです。
住宅扶助の基準金額は、月額1万3,000円以内(3級地は8,000円以内)と決められています。しかし、家賃が基準額を超えるときは、各自治体が定めた金額が適用されます。
家賃は、ほとんどの自治体で1万3,000円または8,000円では収まらないので、住宅扶助額は自治体によって異なるのが実情です。
例えば、埼玉県の住宅扶助額は1級地(さいたま市、川口市等)で、次のように決められています。
世帯人数 | 住宅扶助額 |
---|---|
1人 | 4万7,700円 |
2人 | 5万7,000円 |
3人〜5人 | 6万2,000円 |
6人 | 6万7,000円 |
7人以上 | 7万4,400円 |
また、住宅扶助には次のような費用が含まれ、一部または全額が支給されます。
● 敷金・礼金
● 契約更新料
● 住宅維持費
● 引っ越し費用
● 仲介手数料
● 火災保険料
ただし次のような費用は、住宅扶助の対象にはなりません。
生活保護費から自分で支払わなければならないので注意しましょう。
● 共益費
● 管理費
● 水道光熱費
住宅扶助(家賃補助)を受給するための条件
住宅扶助を受給するためには生活保護を受給している必要があり、住宅扶助のみを受け取ることはできません。
なお、生活保護の受給条件は、次の4つの活用ができずに生活ができないケースです。
● 資産の活用:預貯金や不動産などの資産
● 能力の活用:働くことができる
● あらゆるものの活用:年金などのその他の扶助制度
● 扶養義務者の扶養:親族等からの援助
資産がなく、働くことができず、年金などを受給しておらず、援助をしてくれる親族もいない場合は生活保護の支給対象となり、併せて住宅扶助も受けられます。