この日はバレンタインデー。鈴はチョコレートの紙袋を手に、一星のトラックを見つけると嬉しそうに駆け寄る。しかし、運転席で一星と桜がキスしている姿を目撃してしまうところで第5話は幕を閉じた。相思相愛な鈴と一星に対し、わかりやすく恋のライバルが動き出す展開に、視聴者からは「やればやるほど後が辛いのよ」「お互いに明らかな当て馬がいるのが切なすぎる」という感想が寄せられた。

 第5話では、今まで以上に一星の自由でストレートな感情表現が光った。ついさっきまでは「可愛いから」と鈴にキスをし、彼氏の余裕を出し始めていたのに、深夜が目の前に現れた途端、敵意をむき出しに宣戦布告する。そんな一星は「正しい年下彼氏」を体現していて微笑ましかった。しかしそれだけでは終わらないのが本作のストレートではないところだ。一星の「聞こえないから? 年下だから?」「鈴の悲鳴も聞こえない。俺じゃ……鈴を守れない!」というセリフは、鈴を付け狙う人物がいる以上、今後の不安要素でもある。

 一方で、一星の良くも悪くも真っすぐな生き方が、周囲を少しずつ変えていっている。春は一星に背中を押してもらい、手話でなら本当の気持ちを語れていると気づかされ、うたに話す前に手話で表現することで、ようやく本音を伝えることができた。そして不安を乗り越え「親ってやつに、一緒になってみよっか」と、うたのお腹に宿った命を守る決意をする。二人のやり取りと春のセリフは多くの視聴者の涙を誘った。