◆②カナダの安楽死制度を思えば他人事ではない
いくつかの先例がある欧米では、権力による人間の仕分けが合法的な殺人を可能にしかねないとの危惧を抱いたようです。特に安楽死の適用を拡大しているカナダを思い浮かべる人が多かった。
成田氏を取り上げた『ニューヨーク・タイムズ』を受けて、イギリスの週刊誌『スペクテイター The Spectator』の編集者、スティーブン・ミラー氏は<アメリカのメディアはカナダの安楽死制度を急速に後押ししている。“Xを試したらどうなるか”ということをきっかけに物事は始まる>(@redsteeze)とツイート。『ニューヨーク・タイムズ』の記事が、成田氏への批判ではなく、むしろ世論を誘導するかのような問題提起だととらえていました。
一般読者もカナダの安楽死制度を思い出し、<カナダのアイデアを宣伝すんなよ>(『ザ・テレグラフ』)とのコメントが多くの共感を集めていました。
先に法制化されているからといって、完全なコンセンサスが得られているわけではないという欧米の事情が垣間見えます。