iDeCoとつみたてNISAのデメリットは?

続いて、2つの制度のデメリットに注目しましょう。

iDeCoは、その名の通り「年金」なので、つみたてたお金を受け取るのは原則60歳以降になります。60歳になると一括または分割で受け取れますが、それまでは引き出すことができません。ただし、万が一60歳になる前に高度の障害を負った場合や死亡した場合には、その時点で本人または遺族が受け取れます。

また、通算加入期間が10年未満の場合は、受給開始年齢が遅れます。8年以上10年未満=満61歳から受給開始、6年以上8年未満=満62歳、4年以上6年未満=満63歳、2年以上4年未満=満64歳、1ヵ月以上2年未満=満65歳と定められているので、60歳から給付を受けるには、50歳までに始めることが必要です。

また、新規加入時に2,829円(税込)が必要であることに加え、運用期間中は「口座管理手数料」として年間2,052円(税込)かかることもデメリットと感じる人がいるかもしれません。しかし、iDeCoの掛金は全額所得控除の対象となるので、税金の軽減額を考えると手数料を払ってもメリットがあるかもしれません。メリットがでるかどうか、一度自分で計算してみるといいでしょう。

また、運用商品の中には、元本割れを起こす可能性があるものもあります。そのリスクを避けるため、元本確保型の定期預金や保険商品を選ぶこともできますが、元本変動型の投資信託と異なり資金が減る心配はないものの、大きな利益は期待できません。

一方、つみたてNISAも元本割れになる可能性があります。つみたてNISAは、金融庁が定めた基準をクリアした商品のみが対象とされ、「購入時手数料が0円で信託報酬も低い商品であること」「頻繁に分配金が支払われない商品であること」などの法令上の条件が設けられていますが、それでも、一つの商品のみを運用するのはリスクがあります。

株や債券などの資産を組み合わせた「バランスファンド」と呼ばれる商品を利用する、あるいは自分で商品を組み合わせて利用し、リスクの分散を行うとよいでしょう。

なぜ20代女性はiDeCoよりつみたてNISAを選びたいのか?

それぞれにメリットとデメリットがあるiDeCoとつみたてNISAですが、20代女性にとってつみたてNISAに軍配が上がるのは、やはり「いつでも売却して現金化できる」という点にあるようです。非課税期間は最長20年間ですが、自分のタイミングで売却し、現金化することができるので、さまざまなライフイベントに備えることができます。

その点、iDeCoの場合は原則60歳まではお金を引き出すことができないので、万が一のときに使えないという側面は否めません。しかしながら「容易に引き出せない」という条件は、裏返せば気軽に手をつけられないので老後の資金準備には向いているでしょう。

自分が何を求めているのかを見極めよう

iDeCoとつみたてNISA、資産形成を後押しする税制優遇制度でもそれぞれの特徴があります。組み合わせて利用するのが望ましいですが、どちらを選んだらいいのか、何から始めたらいいのか分からないという人もいるかもしれません。

そんな人は、近い将来に備えたいのか、老後に備えたいのか、今後のライフイベントを考えてみましょう。いざという時に売却して数日で現金化ができるつみたてNISA、掛金の所得控除が認められ税制メリットの大きいiDeCoなど、自分にあった最適なプランを一度しっかり考えてみるといいでしょう。

提供・UpU

【こちらの記事もおすすめ】
1万円から始められる投資って?
リスク許容度がわかる10のチェックリスト
「おつり投資」「ポイント投資」って?
楽ちん「投信つみたて」とは?
投資のはじめの第一歩