いつも浩太さん(高橋克典)・めぐみさん(永作博美)・舞ちゃん(福原遥)が仲良く食事をしていた、岩倉家のダイニングテーブル。けれど悠人(横山裕)がそこで笑って食べているシーンをあまり覚えていない、いつも途中でケンカになってしまうから……と、以前このコラムで書きました。彼にとってもあのテーブルが居場所であってほしい、あそこで食事しながら笑顔を見せてほしいと願っていたら、やっと、お兄ちゃんがカレーを食べてくれました。
幼い舞ちゃんが五島から東大阪に帰ってきてみんなで食べたのが、父子で作ったカレーでしたよね。でもあの時、お母さんに世話されてばかりだった舞ちゃんが、自分からごはんの用意をする姿に目を奪われて、2人のカレーについてはほとんど覚えていなかった。体の弱い子としっかりした子がいると、親はついしっかりした子から目を離してしまいがちだよね、お兄ちゃんのさみしさに気づいてるのは私たち視聴者だけなんて書いたけれど、私も舞ちゃんの五島での成長には気づいたのに、お兄ちゃんが過ごしていた時間と成長については見えてなかったことを反省。文句言いながらもお父さんと2人でカレーを作る日々は、彼にとってかけがえのないものだったんだろうなあ。もうあのカレーは食べることができないし、お父さんに本当の気持ちを伝えることも謝ることもできない。浩太さんも、「歩みノート」に書いてた息子への愛情や「悠人の夢がわからないけど、いつかわかりたい」という気持ちをきちんと本人に伝えなかったことを、悠人と同じくらい後悔してるでしょうね。なくなったものは二度と取り戻せない。でも取り戻せないなら、悠人のこれからの人生で別の何かを作りだすしない。そしてそれは、浩太さんから教わったことから生まれるはず。がんばれお兄ちゃん。
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