一時期は、「リンカーン」(TBS系)を始めとしたバラエティ番組に引っ張りだこだった山口。近年は先述の東急リバブルのCM以外ではあまり、お目にかかることがなかった。

「“山口が出演すれば商品が売れる”という定説が、広告業界にはありました。なんでも器用にこなす山口は特に『飲料系のCM』で重宝されてきました。2005年からはキリンビール『のどごし生』のCMに営業部長役として、9年間にわたって出演、2013年に契約終了となりましたが、ライバル企業のアサヒビールからすぐに、別商品のオファーが。キリンビールへの恩義から当初は断っていたといいますが、博報堂チームの幾度にも渡るオファーに折れて、出演したというエピソードもあります。当時のアサヒビールの社長も山口の大ファンだったと言いますから、2000年代の山口の勢いが見て取れます」(同)

 このように一時期は、契約本数を10本程度抱え、芸人の中でも有数のCMタレントだった山口だが、今回の東急リバブルの降板を期についに、契約CMは0本となった。TVバラエティでもなかなかお目にかからなくなったから、という事情もあるようだが、それ以外にCMのムーブメントも、山口の降板劇に影響をおよぼした。

「東急リバブルに関しては、不動産系企業がCM契約において俳優重視に傾きつつあるのが要因のひとつでしょう。例えば、賃貸物件を扱う不動産会社ハウスメイトでは、これまで指原莉乃を起用してきましたが、2023年からは指原に追加して中尾明慶、椎名桔平を起用。小島瑠璃子を長らく起用してきたピタッとハウスは、2022年から俳優の鈴木亮平が出演しています」(CMディレクター)