金の価格が下がるタイミングは?
金の価格が下がるかもしれないのは、こういう場合です。
(1)金利が上昇するとき……金利が上がるときは、金利がつくほかの金融商品のほうが人気になるためです。
(2)国や中央銀行が金を放出したり、金産出国が増産したりしたとき……いずれも市場に出回る金が増えるわけですから、需要と供給の関係で価格は下がります。
(3)インフレ率が低下したとき……インフレ率が低下し物価が安くなると、貨幣の価値が高くなり、金に頼る必要がなくなるためです。
リスクはそれだけじゃない
需給のバランス、世界的な経済要因、政治要因が主な変動要因であることは分かりました。ただもう一つ、日本で金へ投資する時には忘れてはならない大きなリスクがあります。
為替です。
国際的には、金はドル建てで取引されます。それを円へ換算し日本へ運ぶ運賃や保険料、手数料などを上乗せして国内の小売価格が決められていきます。
どんなに金の価格が上昇しても、円高の状況にあっては国内の小売価格は下がる可能性があります。
代表的な3つの「金投資」方法
金の特徴を踏まえたところで、投資方法を3種類紹介します。
現物……金そのものを買う(数万円~数百万円)
金の延べ棒やゴールドバーと言われる金地金(きんじがね)、世界のコイン(金貨)での購入です。
取扱業者や購入日の国内小売価格により金額は変動します。購入単位で5グラム~1キログラム(金地金)、1/10オンス~1オンス(コイン)の範囲で数種類あり購入金額は数万円~数百万円になります。その他に重さに応じて手数料や保管料がかかることもあります。
ちなみに大手業者の金小売価格は2018年5月現在、1グラム5,000円程度です。
純金積立……毎月、金を積み立てで買う(1,000円程度~)
毎月の積立で金を購入する商品で、貴金属の販売会社や金融機関などで取扱っています。
月々1,000円程度から始められます。金の現物として引き出す以外に現金での引き出し、金貨やジュエリーとの交換も可能です。
購入手数料や年会費などもさまざまですので、購入先を検討する必要があります。
株式や投資信託……金に投資する金融商品を買う(100円からいくらでも)
金を運用対象にしたETF(上場投資信託)や投資信託で、積立での購入も可能です。
資産運用として注目されているiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAの対象となっている商品なら金融機関によっては100円からの積立もできます。
買付手数料などの手数料が設定されていますが、商品によっては買付手数料がかかりません。
金の価値はいきなり消えない
株式や債券などの金融商品と違い、金は不動産などと同じ現物投資。いきなりその価値がなくなったり半分になったりすることはなさそうです。そして世界中で需要もあります。
宝飾店などで見つけた凛と輝く金のジュエリー。いつも頑張っている自分へのご褒美として買うのもいいですが、投資対象として考えるとまた違った目で見られるのではないでしょうか。
文・高村浩子(ファイナンシャル・プランナー)
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