不妊の可能性に悩み、検査や治療に取り組んでいるカップルは4組に1組いるといわれています。中でも難しいのが仕事と妊活の両立。株式会社ファミワンの協力のもと、「妊活」需要の変化について考えていきます。
女性の活躍が進んでいる今ですが、まだまだ数多くの社会課題があります。その背景にあるのがライフステージの変化。柔軟な働き方が選べず「仕事と妊活の両立の難しさ」を痛感している方も多くいます。
不妊の可能性に悩み、検査や治療に取り組んでいるカップルは4組に1組いる(日本産科婦人科学会アートデータブックより)というデータもあるほどなのに、働きながらの妊活や不妊治療が難しく、会社を辞めるしかない……と追い詰められてしまう女性もいるのが実情なのです。
子どもが欲しいのに、なかなかできない……。
そう悩み始めたら妊活のはじめどきかも。妊活中はお金がかかることや、会社勤めの場合は両立が難しいことなど、悩みもたくさんあります。そんなリアルな妊活実情を知るため、Cinqでは株式会社ファミワン協力の元「仕事と妊活」についての連載をスタート!
今回は看護師さんからみた「妊活」需要の変化について考えていきます。
妊活を始める人が増えてきたのは、いつ頃から?
「妊活」という言葉を最近よく耳にするようになりました。芸能人やインフルエンサーの方々でもブログやSNSで、妊活を公表する人が出てきているほどです。いつから、妊活が話題になったのでしょうか?
出生動向調査(国立社会保障・人口問題研究所)によると、2002年から増加傾向なことがわかります。2015年の報告からは「不妊を心配したり悩んだりしたことがある夫婦は35%」という結果でした。つまり、3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配したことがあるのです。
増えてきた要因として上げられるのが、女性の社会進出によりキャリアを重ね仕事が充実することでの晩婚化です。また、不妊の原因は男女半々と言われていますので、男性側の年齢や生活習慣の乱れによる妊娠する力の低下も言われています。
他にも、現代はセックスレスなどの性交渉の問題もあり、それらも原因として考えられます。
日本の出生率は海外と比べると低い
日本の出生率は世界183位であり、先進国の中でも決して高い方ではありません。先進国の中で出生率が上位にランクインしている国は、子どもを産み育てる環境づくりの政策がしっかりと打ち出されている傾向があります。
日本は産んで育てることが難しい現状があるので、その点が「子どもを生むこと」や「もう一人子どもを生むこと」にストップをかけてしまうのかもしれません。
今注目されている治療法
注目されている治療方法としては、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)があります。
着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)は、体外受精で得られた受精卵(胚)を子宮に戻す(胚移植)前に、胚の染色体異常の有無を調べる検査です。これを行うことで流産のリスクが減り、更には妊娠率の向上、初回の妊娠を得るまでの時間の短縮が期待されます。
日本産科婦人科学会学会が臨床研究として承認された施設のみの実施になりますので、受診する施設が承認施設かどうかを確認され問い合わせをしてみましょう。
PGT-Aを受けることができる例は以下の3つになります。
- 反復ART不成功:2回連続胚移植で妊娠不成立となった場合
- 反復流産:臨床学的流産を2回以上繰り返した場合
- 夫婦のいずれかに染色体構造異常をもつ例
妊活にあたって知っておいた方が良い制度は?
自治体ごとの助成金制度があります。またそのほか、医療費控除の対象となりますので、領収書は必ず保管しておきましょう。
また、企業単位で助成金をもらうことのできる、妊活をする女性社員をサポートするような制度もあります。企業の人事や福利厚生担当されている人は検討してみてはいかがでしょうか?