6.猫草は与えなくても問題ない?
猫は肉食動物であるため、栄養バランスのとれた総合栄養食を与えていれば必要な栄養分が不足することはありません。
つまり、猫草を食べないからといって栄養バランスが崩れることはないため、興味を示さなかったり、嫌がったりするようであれば無理に与える必要はありません。
毛玉を排出させるのに猫草を与えたいけれど飼い猫が食べてくれないという場合には、飲み込む毛そのものを減らせるよう、ブラッシングを定期的に行うのがおすすめです。
短時間で良いので毎日ブラッシングすることで、グルーミング時に飲み込む被毛の量を減らすことができます。
また、鉢に生えた猫草には全く興味を示さない猫が、飼い主さんの手からだと食べるということも。そんな、猫草を使ったコミュニケーションもおすすめです。
7.猫草はいつから与えるのが良いのか
猫草を与え始めるタイミングとして、明確な年齢などは決まっていませんが、胃腸機能が整う成猫期(1歳以上)に入ってから与えるのが安心です。
1歳に満たない子猫はまだ胃腸機能が整っておらず、嘔吐・食欲低下・下痢につながる可能性があるため、控えた方が良いでしょう。
8.猫草を与えるときに気を付けるべきこと
猫草と総称されるイネ科の植物は、育ちすぎると葉が固くなっていくため注意が必要です。固くなった葉は随時取り除き、やわらかい若葉を与えるようにしましょう。
また、植物ならどんなものでも良いというわけではなく、植物によっては食べることで中毒を引き起こすものもあります。家にある観葉植物などに猫が興味を示している場合は、猫草を置いておくのが安心でしょう。
猫が食べると危険な植物
猫にとって危険な植物の中でも、もっとも中毒性が高いものがユリ科の植物です。
その他にも、口にしてはいけない植物はさまざま。
知らずに与えてしまうことのないよう、しっかりと確認しておきましょう。
ユリ科
花・葉・茎・球根すべてに毒性があり、万一口にしてしまった場合、急性腎障害を引き起こし死に至るケースもあります。またその危険度の高さは、花びらや葉をかじることに限らず、花瓶の水や花粉などを舐めることも同様とされています。
<ユリ科の植物>
ユリ、チューリップ、ヒヤシンス、スズランなど
サトイモ科
全体的に注意が必要ですが、特に茎と葉に「シュウ酸カルシウム結晶」という危険な成分が多く含まれています。食べてしまうと口の中を刺激し、いろいろな症状を引き起こします。
<サトイモ科の植物>
ポトス、カラジューム、ディフェンバキア、モンステラなど
ナス科
ナス科の植物に多く含まれる「アルカロイド」が、猫にとって危険な成分。
葉や茎、根に多く含まれ、完熟したものよりも未熟な果実の方が、その危険性は高いと言われています。
<ナス科の植物>
ホオズキ、チョウセンアサガオ、ペチュニア、トウガラシなど
ツツジ科
ツツジ科の植物には「グラヤノトキシン」という有毒成分が含まれています。それは花や葉はもちろん蜜にまで及ぶもので、摂取すると、神経系や循環器系に障害を起こすことがあります。
<ツツジ科科の植物>
ドウダンツツジ、アザレア、シャクナゲ、サツキなど
キンポウゲ科
葉と茎に「アルカロイド」を多く含み、毒性植物として有名なトリカブトもこの科の植物の一つです。
<キンポウゲ科の植物>
キンポウゲ、アネモネ、クリスマスローズ、デルフィニウム、オダマキ、ラナンキュラスなど
その他、シクラメン(サクラソウ科)も冬の鉢花の代表ですが、花も葉もすべて有毒で、特に球根に毒性が多いです。ナンテン(メギ科)も正月飾りなどでは用いられますが、実や葉は猫にとって毒となります。
9.猫草の選び方
タイプ
グラスタイプ
グラスタイプの猫草はすでに育成されている状態で販売されているもので、購入後すぐに与えることができます。手間がかからず手軽に与えられるため、はじめて猫草を与えるときや、猫草を育てることが難しい飼い主さんにはおすすめです。シードタイプ
シードタイプの猫草は、飼い主さんが種から栽培して育てるものです。手間や知識が必要になりますが、繰り返し猫草が生えてくるためコスパは◎。また、無農薬など飼い主さんのこだわりに合わせた猫草を栽培することができるのもメリットです。
栽培には1~2週間ほどの時間を要するため、複数のプラントで発芽時期を少しずつずらしながら育てていくのが良いでしょう。栽培キット
自分で猫草を育ててみたいけれど、栽培には自信がない…そんなときは、栽培キットがおすすめです。猫砂を育てるのに必要なものがすべてセットになっているため、手軽にトライすることができるでしょう。
草の種類
燕麦(えんばく)
猫草の定番。オーツ麦、オートミールと表記されることもあり、その高い栄養価が特徴です。どの猫もスムーズに食べてくれることが多いため、はじめて与えるときや、味の好みがわからないときなどにおすすめです。大麦・小麦
こちらも定番で、燕麦と同じように栄養価も高い猫草です。食感がやわらかいため、シニア猫にもおすすめです。鳩麦
猫草としては珍しいものですが、その香ばしい香りを好む猫もいます。このような少し風味の変わったものを与えると、猫もいつもと違った味を楽しむことができますね。狗尾草(えのころぐさ)・鼠麦(ねずみむぎ)
狗尾草はいわゆる「猫じゃらし」で、鼠麦は別名「イタリアンライグラス」とも呼ばれます。この狗尾草や鼠麦は自然の地に生えているものなので、外で見かけることも多いでしょう。