犬を迎える際、犬の生活環境を室内にするか、庭などの家屋外にするか、 どちらにするか、悩んでいる人もいるかと思います。 環境によって、犬の生活の質や人との関係性は大きく変わります。 室内飼育と屋外飼育のメリットとデメリット、そして、それぞれにおすすめの犬種も合わせてご紹介します。
犬の室内飼育と屋外飼育 メリットとデメリット
最近では、ほとんどの人が室内で犬と共に暮らしています。室内飼育と屋外飼育とでは、犬と共有する時間や生活様式が大きく異なり、それぞれにメリットとデメリットがあります。犬との暮らしをより楽しむためには、室内で共に暮らすことをおすすめします。 しかし、犬を初めて迎える方、犬が主に過ごす場所や犬との距離感について迷っている方は、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと把握して、自身のライフスタイルに合った方法を選んで下さい。
犬と室内で暮らすメリットとデメリット
室内で犬と共に暮らしていると、一緒に過ごす時間が長くなり関係性が深まります。一方、被毛が抜けるなど、部屋の汚れが目立ち、掃除をこまめに行わなければなりません。そんな室内飼育のメリットとデメリットをご紹介します。
<室内飼育のメリット>
● 犬のしぐさや行動を十分に観察できる
● 犬の異変にも気付きやすい
● 鳴き声が外部に漏れにくい
● 気温の変化など外的ストレスを受けにくい
● 健康を保ちやすい
● 信頼関係を築きやすい
<室内飼育のデメリット>
● 抜け毛対策が必要となる
● 掃除の回数が増える
● 誤食防止やイタズラ防止に注意を払わなければいけない
● 空間が狭いと犬にも人にもストレスが溜まる
● 構いすぎなど過剰な関わりが犬の分離不安を引き起こす
犬を屋外で飼うメリットとデメリット
屋外飼育では、犬の存在や行動による生活ペースへの影響は受けにくいですが、環境整備に十分に気を付けないと気温変化など外的なストレスを犬が受けることになります。ここでは、屋外飼育のメリットとデメリットをまとめてみました。
<屋外飼育のメリット>
● 家の中が汚れない
● 犬の臭いが気にならない
● 犬による生活ペースの乱れが少ない
● 犬の自由度があがる(敷地内放し飼いの場合)
<屋外飼育のデメリット>
● 気温の変化が激しく、犬がストレスを受けやすい
● 犬の異変に気付きにくい
● 雨風に当たるため体が汚れやすい
● 鳴き声が近所迷惑となり、トラブルに発展する
● コミュニケーションの時間が少なくなる。
● 犬への愛着が薄くなる
● 犬の生活の質が下がる(係留状態の場合)
犬の室内飼育と屋外飼育別注意点
上記のように、室内飼育と屋外飼育とではそれぞれにメリットとデメリットがあります。 ここからはそれぞれの特徴を踏まえ、注意点をご紹介していきます。
室内飼育での注意点
犬と過ごす時間の長い室内飼育では、部屋の環境整備が重要です。 犬が自由にしている状況では、人は食事をしないようにしましょう。犬が欲しがるからといっておかずなどを与えると、肥満の原因や栄養の偏りに繋がります。また、小さな子供がいる場合などでは、食べ物を与えるつもりがなくても食べこぼしなどを食べてしまいます。食事時には犬をハウスさせる(ケージに入れる)か、別の部屋で食べるようにしましょう。
また、犬の生活空間には物が散乱しないよう、日頃から整理整頓を心がけてください。床にある小物を誤食して、開腹手術が必要になるケースもあります。犬はさまざまなものを誤食・誤飲します。ゴミ箱を漁って、食品のビニールや串を食べてしまうこともあります。洗剤や殺虫剤など有毒な液体をなめることもあります。誤食・誤飲を防ぐためにも、犬の生活空間にはなるべくものを置かず、少しでも危険だと思うものには、近づけないような工夫も必要です。
他にもフローリングなど滑りやすい床材は犬の足腰に負担を掛けます。犬が活発に動く場所には、滑りにくい材質の敷物を使いましょう。また、滑りやすい材質の階段も落下の危険性があります。住居内の危険に対して注意深く対処してください。
屋外飼育の注意点
屋外飼育で最も注意したいのが、犬とのコミュニケーション不足です。室内飼育に比べて一緒にいる時間が短くなるため、どうしてもコミュニケーションが少なくなります。そして、コミュニケーション不足は、犬に慢性的な孤独感からの強いストレスを引き起こします。また、犬の異変に気付くのが遅れるなど、犬の健康維持にも悪い影響を与えます。 散歩を楽しんだり、定期的にブラッシングをしたり、一緒に遊ぶ等スキンシップの時間を設けて下さい。
また、短い時間室内に入れてあげることでも、犬とのコミュニケーションは深まります。 病気のサインを見逃さないことも大切です。接する時間が少ないと、どうしても異変に気付くのが遅れます。水を飲まない、たくさん飲む、フードを残す、吐物がある、便をしていない、下痢をしている、元気がない、歩き方がおかしいなど、異変を感じたら、注意深く観察し、少しでも悪化兆候があれば、できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。
気温の変化や雨風の影響を軽減できるように居場所の環境にも配慮をして、快適に過ごせるような工夫してあげましょう。