◆知らなかったではすまされない、「子ども同士の性被害」の実態

――子ども同士の性被害が起こりうるということを、実はゆっぺさんの漫画で初めて知りました。そんなに起きているものなのでしょうか?

鶴田信子さん(以下、鶴田)「子ども同士の性被害の実態について、データや調査で明らかにされていることは少ないです。でも、被害者支援の現場に寄せられる声としてはとても多いんです。

幼稚園・保育園に通う子どもがレイプ被害を受けることもあります。膣内性交に加え、男女を問わず、肛門性交や口腔性交(こうくうせいこう:口を使って行う性行為)といった被害も存在します。そして小学生以降になると、被害件数はさらに増えます」

――ゆっぺさんのように、同じ教室にいる同級生同士の被害が多いのでしょうか?

鶴田「加害者はじつに様々です。同級生だけでなく、上級生や近所のお兄ちゃん、お姉ちゃん、それにきょうだいであることも少なくありません。小学生から未就学児に対して行われたケースもあります」