そして、6位には米津玄師がランクイン。やっぱり、「KICK BACK」もきたか! 人気アニメ『チェンソーマン』(テレビ東京系)のために書き下ろされたこの曲には、編曲・共同プロデュースとして常田大希が参加している。
「米津玄師と常田大希という、とんでもないコラボによる王者の風格さえ漂う強力な曲です」(蔦谷)
いや、曲を聴くと、圧倒的に米津の匂いを強く感じてしまうのは事実だ。これは、2人の引き出しの差という気がする。このクラスのミュージシャンともなると、さすがに当人の“色”が曲ににじみ出てくる。過去に米津が発表した「ピースサイン」っぽい気がしたし、ハチとして発表した「ドーナツホール」っぽくもあった。
「KICK BACK」で特に注目されているのは、この曲の歌詞である。「努力 未来 A BEAUTIFUL STAR」のフレーズは、モーニング娘。「そうだ! We’re ALIVE」からのサンプリングだ。モー娘。のプロデューサー・つんく♂は「米津氏の担当の方から『モーニング娘。のフレーズの一部を使用させていただきたい』と連絡があった」と明かしていたが、それがまさにこれだ。結果、企みは功を奏した。こんなに話題になったのだから。
上記エピソードに加え、蔦谷が指摘したのは「KICK BACK」のイントロ部分である。
「『チェンソーマン』は97年の設定です。97年に出たレディオヘッドの『OK Computer』というアルバムがあるんですけど、その『Paranoid Android』って曲のリフと(KICK BACKの)イントロがほぼ一緒なんですよ。それ、たぶんわざとやってるんです」(蔦谷)
言われてみれば、たしかに! いやぁ、面白い。ちなみに、「KICK BACK」でベースを弾いているのは、常田である。つまり、このオマージュを行ったのが米津か常田なのかは不明ということ。どちらにしろ、イカした遊びをするものだ。
ということは、モー娘。とレディヘが組んだら「KICK BACK」になるのだろうか?(冗談です) ちなみに、「Paranoid Android」のリフは、98年にMr.Childrenも「ニシエヒガシエ」でサンプリングを行っている。