なぜ、お肉屋さんでコロッケは売られている?
いよいよ、コロッケ芸人たちが“おすすめのお店”を紹介してくれるらしい。
伊達がおすすめしたのは、サンドファンにはおなじみ「アライ精肉店」(東京都板橋区)だった。下積み時代から現在に至るまで、伊達がずっと懇意にしているコロッケ店。お店のロゴがメタリカをオマージュしていることでも有名なお肉屋さんだ。コロッケの価格は、1個110円。
続いて、ケンコバがおすすめしたのは「中村屋」(大阪府大阪市)だった。浜田雅功ぞっこんのコロッケ屋として全国区の知名度を誇り、店先には浜田の冠番組『ごぶごぶ』(MBS)のステッカーが大量に貼られている。コロッケの価格は、1個90円。
華丸がおすすめしたのは、「平和蒲鉾店」(福岡県福岡市)であった。このお店が売るコロッケの価格に驚愕だ。1個あたり70円なのだが、2個買うとなんと100円になるらしい。なんなの、その価格破壊は? 自分で作るとすごく面倒なコロッケを、こんなに安く売ってくれるコロッケ店には感謝である。
「なぜ、お肉屋さんでコロッケは売られている?」という疑問は、コロッケフリークの間でも根強い議題だろう。2020年1月31日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)が、謎を解明してくれている。チコちゃんいわく、「洋食のコックさんがお肉屋さんに転職したから」らしい。
大正時代、洋食店のコックだった故・阿部清六さんは、「コロッケといえばクリームコロッケ」の時代に、おいしいじゃがいものコロッケを開発した。「いつか、自分の店を持ったら、このコロッケを看板メニューにしたい」と考えていた彼だったが、そんなときに関東大震災が起きてしまう。
洋食店を開業するには、いす、テーブル、従業員が必要。震災後に資金がなかった清六さんは洋食店をあきらめ、お肉屋さんを開店した。そして、そのお店で彼はコロッケを販売したのだ。自慢のじゃがいもコロッケは、たちまち人気商品になった。さらに、清六さんはコロッケの作り方を同業のお肉屋さんに公表、それが現在の状況へつながったという。