◆ドラマ業界がマンネリで衰退していかないためにも
その回だけで事件を解決したり患者を救ったりする1話完結型にすれば、視聴者が途中回を見逃しても帰ってきやすくなるというメリットがあるため、近年、重宝されていた形式でした。
しかしデメリットとしては、壮大なスケールのストーリーや、話を積み上げていくタイプのストーリーが作りにくい点が挙げられます。1話完結型に依存すると、文字どおりの“連続ドラマ”を作りにくくなってしまうというわけです。
ちなみに今クールの日テレ3作品には、もうひとつのド定番ジャンルである「恋愛もの」もありません。要するに手堅くヒットを狙える王道路線には頼らず、勝負してやるという覚悟の念がひしひしと感じられるのです。
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今のところ『ブラッシュアップライフ』、『リバーサルオーケストラ』、『大病院占拠』いずれも、視聴率的にもTVer再生回数的にも大ヒットと言えるような数字を残せていません。けれど日本のドラマ業界がマンネリで衰退していかないためにも、攻めた作品を放つ今クールの日テレ作品群に、ぜひとも奮闘してもらいたい気持ちでいっぱいなのです。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。