◆『大病院占拠』(1月14日スタート/土曜夜10:00~)

嵐・櫻井翔主演。奇怪な鬼のお面をかぶった謎の武装集団に病院が占拠されてしまい、主人公が解決のため奔走するクライムサスペンスドラマ。

作品名から挑戦的な作品であることが伺えますが、外部とのやりとりや行き来はあるものの、基本的に病院というワンシチュエーションを舞台にしたサスペンス作品はとても稀有。また、序盤回では10人の鬼たちのキャストは伏せられているものの、番組公式Twitterで鬼の正体を予想する投稿を呼びかけるなどして、SNS連動で盛り上げようという気概も見られます。

ちなみに第1話の時点で、鬼のリーダーがSexy Zone・菊池風磨であると指摘するツイートが続出。せっかく秘密にしているのに瞬殺でバレていたのはウケましたが、むしろそれは制作陣の想定内で、視聴者たちが掌の上で転がされている感さえありました。

◆3作品とも王道フォーマットに依存していない

こうして3作品を紹介すると、それぞれが別ベクトルで王道フォーマットから外してきていることがわかるはず。

さらに言うと、この3作品は近年のトレンドである1話完結型の「事件解決もの」、「法廷もの」、「医療もの」ではないというのも特筆すべき点でしょう。

例えば今クールで言うと、『相棒 season21』(テレビ朝日系/水曜夜9:00~)は1話完結型の「事件解決もの」ですし、『Get Ready!』(TBS系/日曜夜9:00~)は1話完結型の「医療もの」で、いずれも世帯平均視聴率を二桁に乗せるヒット作になっています。

『リバーサルオーケストラ』は1話完結型に近いストーリーですが、先に挙げた定番の3ジャンルから外しています。『大病院占拠』は刑事が主人公の「事件解決もの」ですが、全話を通じてひとつの大きな事件を描いているため、1話完結型ではありません。