“命の始まりの産婦人科医”と“命の終わりの遺品整理士”、雑音まで聞こえる世界と音のない世界……鈴と一星は、生き方や性格も対照的な2人。衝撃的な冒頭のシーンの他にも今までのドラマにない展開が多く、視聴者を惹きつけた。過去に放送されたろう者が登場した恋愛ドラマはどこか陰のあるものが多かったが、一星は明るく天真爛漫なタイプのキャラクターで、遺品整理の仕事の最中にAVを発見して同僚の佐藤春(千葉雄大)と盛り上がるシーンなどで、どこにでもいる普通の青年として描かれている。遺族と真摯に向き合おうとする姿も印象的だ。

 鈴と一星の恋愛が主題だが、2人の職業柄、それぞれ生と死に向き合う展開も織り交ざる。涙を誘うシーンもあり、単なる純愛ものでは終わらなさそうだ。さらに脇を固める個性的な登場人物たちを演じる俳優陣も豪華で、クセの強いキャラクターも多い。

 世帯平均視聴率は7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と少し寂しい数字だったが、第1話の見逃し配信再生数が、放送日夜から翌日18日までの2日間で100万回を突破し、テレビ朝日歴代最速を記録。早くも視聴率以上の話題になっている。