鈴は、母をひとり寂しく旅立たせてしまったと思い込み、自分は親不孝な娘だと一星にこぼす。すると一星は「寂しかったと決めつけるのも違うんじゃないでしょうか」と伝えて「お客様ボックス」を開け、鈴に見せた。そこには愛子が友人たちと笑顔で写っている集合写真や、予定がびっしり詰まったカレンダー、不倫恋愛ドラマのDVDなど、充実した晩年を過ごしていたことが伝わってくるものが数多く入っていた。一星から、愛子が娘について愛情たっぷりの言葉で話をされたことを伝えられると、鈴は堰を切ったように泣き崩れるのだった。

 「働いているほうが楽」ということですぐに仕事に復帰した鈴は、芝里子(近藤春菜)の出産に立ち会う。里子は陣痛の激しさに混乱し「お母さーん!」と叫ぶが、里子の母はすでにこの世にはいない。普段、感情や私情を表に出さない鈴だが、「私のお母さんも3日前に死んじゃったんです」と告げて勇気づけ、全員で「お母さーん!」と叫ぶ。母との思い出を振り返りながら、鈴は無事に里子の出産を成功させる。

 その後、キャンプのときに汚してしまった一星のマフラーを返すために「ポラリス」に向かい、社長の北斗千明(水野美紀)に居場所を聞き、海岸の堤防へ。マフラーを返し、母のことでお礼を伝えた。リアクションせずにカメラを構え続ける一星に、鈴は「でも お前のキス 大したことなかったけどな」と手話で告げる。一星は思わずカメラから目を離し、鈴を見て微笑んだところで第1話は終了した。