◆書面の完璧な表現を考える

 両事務所の発表によると、「二人で協力し合い、より良い未来を築いていけるよう、そしてより善い人間、良い俳優になれるよう精進して参ります」と書面にある。より良い未来! より善い人間! 良い俳優! 的確でありながら読み手の想像力の余地を残した完璧な表現だと思った。

「より良い未来」ならまだ一般的な結婚報告の文言として理解できる。でもそこから、「より善い人間」であり、「良い俳優」と続くと、これは感慨深くなる。未来には「良い」なのに、人間には「善い」が宛てられている点も見逃せない。そしてなにをもって良いとするのか、その価値基準が曖昧な俳優という職業には「良い」を使う。

 でも町田くんに「良い俳優」になると言われたら、それはもうただちに正解という気がするのは、筆者のひいき目が過ぎるだろうか? いやいやそんなことはありませんよね。そうきっぱり言い切れるくらい、町田啓太という俳優はこれまでに数々の誠実な演技を見せてくれているのだから。