で、この『マルコポロリ!』、かつては芸能ニュースを扱ったり、俳優や歌手などをゲストに招いてトークをしたりといったこともあったのだけれど、現在は芸人中心のお笑い色が濃い番組になっている。同番組を見たことがある人はご存知のとおり、全国区の番組ではあまり見られなくなったような強めのイジりも多い。芸人をおいしくイジる番組を“芸人愛がある”みたいに称える向きもあるけれど、そんな言い方もしゃらくさくなるほどである。

 錦鯉が優勝しM-1の感動物語が極まったあとで、そんな風潮にツッコミを入れるウエストランドが優勝するように、お笑いでは特定のベクトルが趨勢を占めると、それをフリにした逆ベクトルの笑いが生まれる。生態系のごとくバランスが図られる。『マルコポロリ!』もまたそんなお笑いビオトープの一角にあり、優しい笑いが好まれると言われるなかにあって、強めの笑いを欲するお笑い好きの一部に愛好されている。

 そんな番組だから、ウエストランドの井口浩之の芸風とのシンクロレベルは高い。過去に何度か出演し、MCの東野幸治をはじめとした芸人たちに強めにイジられてきたし、それに井口も悪口や難癖で応戦してきた。「ウエストランド井口大好きクラブ」と題した彼中心の企画が組まれたこともある。今回のM-1企画への出演も、半年も前からブッキングしていたらしい。