デビューをしていないということは、ある意味、その安定供給が約束されていない状態とも言えます。今や、デビュー前のジャニーズJr.と言えども、オリジナルの楽曲がYouTubeで公開され、映画やドラマにも出演し、グループでのコンサートだって開かれる状況です。しかし、それが安定的に供給される保証はなく、極端に言えば、グループの存続すら保証されたものではない、と感じるファンは少なくないように思います。もちろん全てのファンがそうではありませんが、デビュー前のアイドルを応援するファンの中には、小さくはない負担を抱えながら、アイドルの安定的な活動を求めて応援する人も一定数いる、と私は考えています。
なぜこのような考えに至ったのかというと、それは、Travis Japanに所属する松田元太くんを応援し続けてきた私の妻をずっと隣で見てきたからです。誤解のないように言うと、Travis Japanと松田元太くんを義務感だけで応援してきたわけでは全くありません。また、妻が際限なく応援に金銭をかけていたわけでもありません。しかし、妻が松田元太くんを応援しようと心に決めた2016年から、松田元太くんのダンスをもっと見たいと願い、1人のファンとしてさまざまな労力をかけながら、松田元太くんとTravis Japanを応援してきた姿を、私はずっと見続けてきました。妻の熱い応援は時に「ただ好きな人を楽しむだけ」という域を超えていたと思います。それでも、妻が松田元太くんとTravis Japanを応援し続けることができたのは、彼らがアイドルとして着実に成長し、一つ一つ成果を挙げ、デビューに値するだけの才能と努力を見せてくれたからだと思うのです。
Travis Japanとして松田元太くんのデビューが決まった瞬間の、妻の安堵と達成感に満ちた表情が、今でも私は忘れられません。妻が6年前に望んだ、松田元太くんのダンスを安定的に楽しめる状況に、念願叶ってなったのだと思いました。妻と同じように志を持った多くのファンの応援が、積み重なって、大きな力となって、彼らの活動を支えたのだと思います。もちろん、貢献度の大きさがファンの価値ではありません。ただ、活動を支えるべく奮闘した多くのファンが、彼らのデビュー決定の報を受け、きっと安堵したことでしょう。